2004年8月28日

『40歳からの仕事術』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100584/

今日、ご紹介する本は、知人からのリクエストによるものです。

もともと、売れていた本で、気にはなっていたのですが、なぜか読む機会がなく、ずるずると来てしまいました。送って頂かなければ、読まなかったかもしれない本でした。Oさんありがとうございます。

本書の著者、山本真司氏は、シカゴ大学でMBAを取得している、経営コンサルタント。東京銀行、ボストンコンサルティンググループを経て、現在はA・T・カーニーのヴァイス・プレジデントを務めていらっしゃるようです。

その著者が、ストーリー仕立てで、40代のための仕事術を指南した
のが、本書『40歳からの仕事術』です。

MBAを持っていない、たたき上げの管理職、朝倉に対し、かつて同期だったというMBAホルダーが、戦略的な学習のコツや、仕事で役立つさまざまな知識を伝授する、というストーリーになっています。

おもしろいのは、このMBAホルダーが、MBAのフレームワークやツールを使いながら、仕事で使えるさまざまな考え方・知識を伝えている点です。登場人物にあえて「MBAくさい」話し方をさせることで、MBAのさまざまな知識を伝えている点に、作り手の工夫が見られます。

いくつか要点を抜き出してみましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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勉強することは正しいが、戦略が重要だ。40代の我々にとって、時間資源はどんどん希少になっている。しかも若いころのように無理が利かないんだから、よほど考えて有限な時間と集中力という資源を最適配分しないと学習だってできない

何をやるかは簡単に決まるけれど、何をやらないかを決めるのが難しい。その「何をやらないか」が戦略だ

(英語を学ぶ際に)
まずは、自分に強みのある分野から勉強しろっていうのが大原則。「英語を勉強する」のではなくて、仕事に関係するテーマを「英語で勉強する」ってことだね

世の中には常識となるスタンダードが存在して、それを学ばないといけない、というのは初等教育の考え方だ。しかも相手を出し抜かなくてはならない競争の現場では、標準の思考方式で同じ発想に行き着くことに意味はない。どうしたら世間と違う発想や仕事の進め方ができるかを学ばなければならない

心配なのは、君の処世術の巧拙ではない。そういった制約のなかで、「自分で考える能力」がどんどん毀損され退化していくことだ。仮に、君が批判する経営陣や部長陣が明日いなくなったとしたら、代わりを務められるか

もし君に、「自分で考える能力」が十分あったとする。世の中で必要とされているのは、特定の技術でも肩書きでもない。「自分の考え」をしっかり持ち、自ら実践して、業績を上げるということだ。そういう人は少ないから、常に需要超過だ

コンサルティング業界で比較的「長生き」している人間は、経営や経済以外の異分野から刺激を受けているケースが多い

20~30代の若手は、一生懸命に経営理論の言語や論理を勉強している。それはそれで悪いとは思わないが、彼らは手段の目的化というリスクを常に抱えている

経営に科学的合理主義を持ち込むのが、最初のステップだ。(中略)何か主張が出たら、一言「プルーブ・イット」(証明せよ)と言えばいい

部下がつまらない単なるグラフを持ってきたときは、一言「ソー・ホワット?」(So what?)すなわち「だからどうなんだ?」「何が言いたい?」と尋ねる

よい質問は、事実を拾い、因果関係を解き明かす

相手に共感を持たせ、心と体を動かしてもらって、初めてコミュニケーションと呼べる。一方的に自分のメッセージを伝えるのは、コミュニケーションの必要条件だが十分条件ではない

簡潔がプレゼンの基本思想だ。(中略)ポイントは表現技術ではなく、論理構成のほうにあるんだ

メッセージをサポートする素材は、文章なら箇条書きで最大7か条まで、グラフなら最大2つまでにすること

ステップは3つ。すなわち、
1.己の持ち時間の正確な把握
2.資源を投入すべき仕事の選択と集中
3.行動面で成功のツボを外さないこと

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というわけで、本日の一冊は、

『40歳からの仕事術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100584/

です。

40代にかかわらず、あらゆる世代のビジネスパーソンにとって役立つ勉強法や仕事術、経営に使えるフレームワークやツールが、コンパクトにまとめられています。

忙しくて、学ぶ暇なんてない、という方にこそおすすめしたい一冊です。

目次

序章  終末と始まりの予感
第1章 MBA不要論
第2章 自立するための思考法
第3章 本質をえぐる分析技術
第4章 メッセージを売り込め
第5章 自分を変える戦略
終章  決断
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