2004年8月22日

『成功するまであきらめない』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777100626/

本日の一冊は、アメリカ成功哲学の始祖、オリソン・マーデンによる幻の名著『An Iron Will』の日本語訳です。

以前もこのメルマガでちらっとご紹介しましたが、あの本田健を世に出した遠藤編集長が、眠れる名著を掘り起こして、今回の出版となったわけです。

この『An Iron Will』は、なんと初版が1901年に出されています。だから、冒頭で申し上げたように、1896年の第一回近代オリンピックの話が出てくるんですね。

ちなみにこのオリソン・マーデンは、あの起業家たちのバイブル『サクセス・マガジン』を創刊した人物。つまり、ナポレオン・ヒルやオグ・マンディーノの師匠とも言うべき人物なのです。

では、その内容はいかがなものかというと――言葉に力があります。著者は本書の中で何度も「意志の力」を強調していますが、この本そのものからも著者の強い「意志の力」が感じられるのです。

基本的には、歴史上の偉人たちの事例を挙げながら、「意志の力」の重要性を説いた自己啓発書ですが、やはり元祖は言葉の力が違います。困難に直面した時、くじけそうな時、あるいはこれから大志を持って羽ばたこうとする時には、きっと力を分けてくれる本だと思います。

著者自身の言葉に加え、さまざまな偉人たちの名言も散りばめられているので、今日はそのなかからいくつかご紹介しましょう。

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 本日の赤ペンチェック
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自分の「意志の力」がどれだけ正しい方向に育てられ、鍛えられているか、臨戦態勢はどこまで整っているか。まさにそれが勝敗の鍵を握る(シャーマン将軍の言葉)

世の中には三種類の人間がいる――やる人、やらない人、できない人だ。やる人は何でもやり遂げる。やらない人は何にでも反対する。できない人は何をやっても失敗する(ある作家の言葉)

銃は撃ってみよ。いつかは的に当たるかもしれぬ。だが、撃たないでいれば絶対に当てることなどできない(イギリスの文人フェルサムの言葉)

思い焦がれてただ必死なだけのころには、目の前に大きな山が立ちはだかっていたけれども、現実に合うように夢の形を整え、具体的な目標として意識しだすと、助けは探し求めなくても向こうからやって来てくれたのだ

あまたの敵の中で最も手ごわいのは、自分を疑うことだとは思いませんか。可能な限り最大限の成功を手に入れたいのであれば、それだけの資格が自分にあるのだという「信念」、どんな障害もものともせず必ず手に入れるのだという「信念」を、ずっと持ち続けなければならないはずです

忘れないでください。自分の価値はこれくらいだと、自分で付けた値段が、その人に対する世間の評価になるということを。世間は、自分を信じている人間を信じるのです

一見、人生最大の不幸としか思えない出来事にも、けっしてへこたれない人間には、不幸のほうが頭を垂れてくる

厳としてひたむきに、運命の強い絆を信じて前進しよう。命を惜しんできびすを返したりはすまい。偉大なる人物の書物を開き、胸像を眺め、いや、その名を耳にするだけで、たちまちわれらは電撃に打たれ、『意志の力』の何たるかを知るのだ。色あせぬ不屈の精神を持たずして、偉業を成し遂げた者など一人としていないのだ

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こうした教えのほかに、本書では、数多くの偉人たちのエピソードが登場します。

しびれに襲われ、死の訪れを感じながら、生涯最高の作品を生み出した作曲家のヘンデル、聴力を失いながら名曲を生み出したベートーベン、「四〇年間、一日たりとも健康な日はなかった」というダーウィンなど、興味深いエピソードは枚挙に暇がありません。

ということで、本日の一冊は、

『成功するまであきらめない』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777100626/

です。原題は『An Iron Will』。人間にとって、意志の力がいかに重要なのかを教えてくれた、古典的名著です。ページ数も少なく、簡単に読めてしまうので、ぜひ楽しんでみてください。

オリソン・マーデン略歴

1850年アメリカ東部ニューハンプシャー州の貧しいスコットランド移民の家庭に生まれる。ハーバード大学・ボストン大学へ進学。医学や法学を学び、医学博士号や法学修士号を取得。卒業後、ホテル・ビジネスの仕事で成功し、自ら事業を起こす。
しかし、経営するホテルが大火災や天然痘の被害に遭い、やがて事業は失敗。ゼロからの再出発を余儀なくされる。そうしたなかから「成功するためにはどうすればいいのか」という研究をはじめる。

1891年、研究成果を1年にわたってまとめた最初の著書「Pushing to the Front」を出版、世界25カ国で翻訳されるほどの大ベストセラーとなる。

1924年、亡くなる直前まで精力的に書き続け、生涯に45冊に及ぶ著書を発表した。

1897年には起業家のバイブルとも呼ばれる雑誌『サクセス・マガジン』を創刊し、成功哲学の確立に尽力。同誌には2代目編集長のナポレオン・ヒルやオグ・マンディーノといった、日本でもおなじみの錚々たる人物が名を連ね、自己啓発や成功哲学の分野で活躍する人材を輩出した。

目次

第1章 必ずやる!と決心する――「意志」を鍛える
第2章 夢を明確にし、自分を信じる――運命を変える
第3章 自分の中の生命力を高める――病苦を克服する
第4章 人生の目標を見つけたら迷わない――逆境に立ち向かう
第5章 つねに自分を奮い立たせる――粘り抜く力を磨く
おわりに――真に正しく生きる
訳者あとがき――アメリカ成功哲学の始祖、オリソン・マーデン
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