http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478732809/
タイトルだけを見たら、単なる企画書の本ですが、じつは、企画書作成の心得と技術をたくみに織り交ぜた、ユニークな本です。
冒頭部分で著者は、「『企画力』とは何か」という問いについて、こんな答えを提示しています。
企画力とは、「人間と組織を動かす力」である
著者の言葉を使って補足すると、読み手の気持ちを動かし、組織の意思決定を動かすことのできない企画書は「紙くず」同然です。プロフェッショナルの世界において、「企画力」とは、「企画を立案する力」のことではなく、「企画を実現する力」のことなのです。
では、どうすれば、この「企画力」を高め、人間と組織を動かすことができるのか。これに対し、著者は次のように答えています。
企画力とは、「物語のアート」です。一つの事業やプロジェクトの、理念、ビジョン、戦略、戦術、行動計画。一つの商品やサービスの、イメージ、アイデア、コンセプト、デザイン。これらを、一つの魅力的な「物語」として語る。その「物語のアート」です。では、どのような形で、プロフェッショナルは「物語」を語るのか。それが「企画書」です。
(中略)
すなわち、プロフェッショナルは、「魅力的な物語」、「共感の物語」としての「企画書」を創り、その企画書によって、それを読む「人間」を動かし、そして、人間を動かすことによって、「組織」を動かすのです。
では、私たちプロフェッショナルは、組織を動かすために、どのような企画書を書くべきなのか。これが次の問いになります。
この問いに対して、著者は、
「最高の企画書」とは、「最高の推理小説」である。(中略)
と述べています。これもまた著者の言葉を使って補足すると、あたかも「最高の推理小説」のように、表紙を見ただけでも、手にとって読みたくなる。最初のページを読むと、かならず次のページをめくりたくなる。(中略)気がつくと時間の経つのも忘れ、読み終えてしまう、こんな企画書が最高だということです。
では、具体的にどうすれば、「最高の企画書」が企画書が書けるのか。残念ながら、ここからは、本書を読んでもらった方がいいと思います。
端的に言えば、「最高の企画書」を作るためには、「企み」の要素が欠かせません。本書の後半では、この「企み」を語るための心得とテクニックが示されています。
そして、ここで示されている「知」は、私のメルマガ読者の大半を占めるであろう出版業界人にとって、本作りのヒントを与えてくれるものです。
これを読んでいただければ、なぜ私がタイトル付けや表紙にこだわるのか、がわかっていただけると思います。もちろん、ビジネスパーソンにとっては、上司や組織の共感を呼ぶ企画書作りの一助となるに違いありません。
というわけで、本日の一冊は、
『企画力―「共感の物語」を伝える技術と心得』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478732809/
です。相手の魂を揺さぶり、「その気」にさせる「最高の企画書」
とは何か、その要諦を学ぶことができます。ぜひお楽しみください。
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