http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806117293/
さて、本日の一冊は、歴史人口学の本ではないですが、「人口」という視点から、今後のマーケティングを説いた、ユニークな本です。
じつはこの本、2002年12月に出た時は、まあぼちぼち売れている、といった程度でしたが、ここに来てがぜん注目が集まっています。まあ、早い話、時期尚早だったわけです。
株の本と同じで、実際に相場が上がっているのを肌で感じないと人は動かない、といういい例です。
本当は、2年前に読んでおいて、いまごろ収穫しているのが理想ですが、いまからでも遅くはありません。というより、この本の内容がわかっていないと、今後10年ぐらいは、ビジネスパーソンとして不利な立場に置かれることになると思うのです。
さっそくですが、内容を概観してみましょう。
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本日の赤ペンチェック
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1.日本の人口は2006年をピークに減り続けていく
2.収入があって消費をする人の数(生産年齢人口)がすでに1997年をピークに減っている
3.団塊世代を世帯主とする標準世帯が減っても、若い世代がそれを穴埋めできればいいが、若い世代は人口が少ないうえに晩婚化、未婚化しているので、巨大な団塊世代ファミリーの抜けた穴を埋められない
4.これからの10年、放っておけば必ず売上は減る。売上を伸ばしたければシェアを増やすか、より付加価値の高い物を売らねばならない
5.2015年の推計では、「ひとり親と子供の世帯」「夫婦のみ世帯」「単独世帯」の合計は2941万世帯にのぼり、「夫婦と子供からなる世帯」と「その他の親族世帯」の合計である1985万世帯に比べて、1000万世帯近くも多くなる
6.したがって、もっと個人に目を向けたマーケティングをしなければならない
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では、具体的にどんなマーケティングをすればいいのでしょうか?そのためには、個人の行動や意識、あるいはそれを探るためのケーススタディをする必要があります。
本書で挙げられている事例は、衣服のリフォーム、スキンケア商品、クルマ、家、雑誌、WiLLプロジェクトなど、さまざまです。成功例、失敗例にかかわらず、新しいマーケットの動向を探るいい手掛かりとなるでしょう。
この本の恐ろしい点は、50代~60代女性、あるいはフリーターが新しい消費トレンドを作る、ということを、この2002年の時点で見事言い当てている点です。
2年前にこの本を読んで、手を打っていれば、現在の「冬ソナ」ブームでひと山当てられたかもしれません。残念!
しかし、まだまだあきらめてはいけません。本書を読んで、これから消費の中心となる「団塊ジュニア」ほかのコア市場をきちんと把握すれば、ぼうっとしている他の企業やビジネスパーソンに大きく差をつけられるはずです。そして、その優位性は、おそらく10年は続くでしょう。
ということで、本日の一冊は、
『これからの10年 団塊ジュニア1400万人がコア市場になる!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806117293/
です。じつはこの本、版元が増刷を控えており、ひょっとしたらそのうち、入手困難になるかもしれません(裏情報)。ご希望の方はいまがチャンスです。
目次
第1章 これからの10年、新しい消費社会が誕生する!
第2章 「ライフスタイルケア市場」が生まれ、急成長する
第3章 躍進する4つの新市場も見逃すな!
第4章 団塊世代1000万人はこうやってつかめ!
第5章 団塊ジュニア世代がこれからの市場をリードする!
第6章 団塊ジュニア世代1400万人はこうやってつかめ!
第7章 これからの10年、生き残る企業の戦略はこれだ!
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