http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532193370
本日の一冊は、かつて山一証券で株式トレーダーを務め、現在は個人投資家向けの投資顧問会社の代表を務める東保裕之氏が、株式投資のタブーをまとめたものです。
2002年6月に同じタイトルで出されていたものを、昨今の市場の変化に合わせ、若干改訂していますが、大枠は変わっていません。
内容は、個人投資家がやりがちな、まずい投資手法を戒めたもの。心構えや考え方にも触れつつ、主に売買手法について、詳細なアド
バイスをしています。
具体的には、「目一杯勝負は破産の近道」「勝率よりも得失点差」といった基本原則と、「手じまいでの『指値注文』は厳禁」といった売買原則が記されており、昨今多く出されている個人投資家の体験談とは一線を画しています。
株式市場が過熱気味の今日だからこそ、読んでおきたい、骨太の株式投資論です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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思惑が外れた時に、自分の実力以上に資金を投資していると、小さな下げでも恐怖感に勝てず、慌てて手じまったり、逆に売買を遅らせてしまったりなど、思わぬ投資判断ミスを繰り返しやすい
投資資金が枯渇したら何もできない。常に余裕資金を残しながら運用する投資家のほうが、投資判断する際の選択の余地が広がり、最良の手を打ちやすくなる
◆危ない企業の超簡単な見分け方
1.無配 2.株価100円以下 3.一株あたり連結純資産額が50円以下
4.連結剰余金マイナス 5.格付けが投資不適格
どんな名人であれ、株式投資での勝率100%維持は無理である。したがって、投資家は失敗した時の対処が大事なのである
投資家としては得失点差を重視して、「勝つ時は大量得点差、負ける時は僅差」を目指して欲しい
手じまいでの「指値注文」は厳禁(中略)「手じまい」での「売りそびれ」「買いそびれ」は利益確定のチャンスを逃すだけでなく、状況によっては損失がより一層拡大することにもなりかねない
いくら「分散投資=投資の基本」といっても、チェックしきれないほど多数の銘柄に投資することは、あまり賢明な策とは思えない
プロは本当に得意な商品・銘柄だけしか売買しない
経験則で言えば、三番手銘柄よりも二番手銘柄、二番手銘柄よりも一番手銘柄のほうが最終的な上昇率が大きい。結局目新しい二番手銘柄や三番手銘柄を追いかけるよりも、じっくりと本命の一番手銘柄に投資したほうが利益を上げやすい
方針変更の中でも特に危ないのは「目標引き上げ」
上手なディーラーは例外なく「損切りの名人」
本当に売買したい投資家は「指値」などしないので、一般投資家の方は板情報をあまり過信しないほうがよい
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『株式投資これだけはやってはいけない』
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■目次■
文庫版のためのまえがき
まえがき
第1章 株式投資で大損するタイプ――こんな投資家になってはいけない
第2章 売買テクニックの基本――これぐらいは知っておこう
第3章 気がつかないうちに陥りやすい失敗
第4章 苦しい時の対処法――負けを軽くすることが勝利への道
第5章 飛びついてはいけない―― 一見儲かりそうだが実は危険なこと
第6章 株価指標 これをチェックするだけで十分だ
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