2006年2月5日

『人生の短さについて』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003360710
本日の一冊は、ストア哲学の巨人、セネカによる論考「道徳論集」のなかの3篇を、推定著作年代順に編集したものです。

3篇のなかでも、タイトルとなっている「人生の短さについて」は、われわれがどのような態度で人生と向き合えばいいのかを説いた力作。

書かれたのはローマ時代ながら、成熟社会のなかで、放蕩の限りを尽くしている現代人にとっては、かなり耳の痛い主張が続きます。

「われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを浪費しているのである」

「生きることの最大の障害は期待をもつということであるが、それは明日に依存して今日を失うことである」

より良く生きるために、今どうすればいいのか。迷える現代人に、骨太の指針を示してくれる、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている

甲は乙のために耕し、乙は丙のために耕すが、誰ひとり自分自身を耕す者はない

どんな人でも自分の地所をとられて黙っている者はないし、また領地の境界について、たとえ小さなもめ事が生じても直ちに投石や武器に訴える。だが、自己の生活のなかに他人が進入することは許している

人生の残り物を自分自身に残しておき、何ごとにも振り向けられない時間だけを良き魂のために当てることを、恥かしいとは思わないか。生きることを止める土壇場になって、生きることを始めるのでは、時すでに遅し、ではないか

心が雑事に追われていると何ごとをも深くは受け入れられず、すべてのものを、いわば無理に詰め込まれたもののように吐き出してしまうからである。実際多忙な人にかぎって、生きること、すなわち良く生きることが最も稀である

生きることの最大の障害は期待をもつということであるが、それは明日に依存して今日を失うことである

万人のうちで、英知に専念する者のみが暇のある人であり、このよ
うな者のみが生きていると言うべきである。それは、彼らが単に自己の生涯を立派に守っているからだけではない。彼らはあらゆる時代を自己の時代に付け加える

君が若年のころから、学問研究のあらゆる修行で勉強してきたことは、巨大な量の穀物が君の良好な管理に委ねられるためではなかったのだ。君は何かもっと偉大で、もっと崇高なものを自分に約束したはずである
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『人生の短さについて』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003360710
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■目次■
人生の短さについて
心の平静について
幸福な人生について
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