2005年8月23日

『パイロットが空から学んだ一番大切なこと』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475730305X/
本日の一冊は、国際線ジャンボジェットの機長が、パイロットの仕事に求められる心構えや仕事の段取りについて述べた一冊です。

通常の仕事と違って、ちょっとした過ちが多数の人々の命に関わる大切な仕事。そこで行われている仕事のルールとは何か、機長は一体どんな仕事をしているのか。じつに知的好奇心をくすぐられます。

驚いたのは、ビジネスユースの多い東京~大阪の朝の便では、時間を優先させ、高度を低くする、夏休みの昼の沖縄行きでは、高くして安全と快適さを優先させるなどといった、通常なかなか気づかない配慮があること。

ほかにも、機長の体調を保つため、厳しい食事のルールがあったり、着陸に関しても厳密な決まりがあったり、読んでいて、思わず飛行機に乗るのが怖くなってしまうほどです。

ちょっと無理にビジネス寄りにしすぎて、趣に欠けた点が残念ですが、非常に興味深く読ませていただきました。

これはおすすめです。
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■ 本日の赤ペンチェック
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相手の意思に反してでも最善の方法をとることが機長にとっての責任のひとつ

飛行機が動くためには、実に様々な人が陰で働いています。これらの人にいかに気持ちよく正しい仕事をしてもらえるようにするかも機長の仕事のひとつ

最も大事なのは制約条件を守った上で、明示された仕事をやり遂げることです。細かな方法や手段についてアドバイスやサジェッションは与えても、最終的な意思決定は担当部署や担当者そのものが行うべきです

納期にしても、資金にしても厳密な計算を行って出した後、不測の事態に備える余裕を持つ必要があります。その余裕分もただ闇雲にあればいいというものではなく、一定の法則に基づいた値を持っている必要があります

操縦席に限らずどの職場でも、上司が部下の言うことに耳を貸さないような職場からは人はどんどん離れていきますし、逆に的確な指示ができない上司は存在価値がありません。現代に求められるリーダー像は、適度な権威勾配を作り出せるのと同時に、いろいろな意見やアドバイスを出しやすい雰囲気を作れる人

一番よかった点を1つあげ、それをよかったと評価した上でアドバイスをしています。まず、心を開いてもらわなければ、いくらよいことを言っても相手の中に入っていきません

何か言ってくれたら、それが正しくても間違っていても、言ってくれた勇気に対して「ありがとう」が第一声であるべき

情報の鉄則は、わからなくなったら最初にその情報を発信した人に必ず確かめるという点

人に物を教える時にはまず前提条件の違いを話すことが重要

機長の仕事で一番大切だと考えていることがあります。それは飛ばないという決断です
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『パイロットが空から学んだ一番大切なこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/475730305X/
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■目次■
プロローグ 空から学んだこと
第1章 雲の上の職場から
第2章 フライトとはプロジェクトである
第3章 パイロットという非日常
第4章 マニュアルと情報処理と
第5章 チームワークには「自由」という空気を
第6章 技術を伝承するために
第7章 フライト・シミュレーション
第8章 ビジネスリーダーとしてのパイロット
エピローグ 空ほど美しい職場はない
終わりに
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