【これでメンタルが強くなる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479932991X
人生には必ず逆境が訪れる、ということを考えれば、「何も起きませんように」と祈るより、「何が起きても大丈夫」なメンタルを築くことが重要です。
本日ご紹介する一冊は、ストレスマネジメントの専門家がまとめた、『「なんとかなる」と思えるレッスン』。
著者の舟木彩乃さんは、一般企業の人事部で働きながらカウンセラーに転身、その後病院(精神科・心療内科)などの勤務と並行して筑波大学大学院に入学し、博士課程を修了した人物。(博士論文の研究テーマは「国会議員秘書のストレスに関する研究」)
一般企業や中央官庁、自治体などのメンタルヘルス対策や研修に携わり、またカウンセラーとしても大勢の相談に乗ってきている人物です。
本書の冒頭では、主題である「なんとかなる」感覚を構成する、3つの感覚を説明。
1.把握可能感(だいたいわかった)
2.処理可能感(なんとかなる)
3.有意味感(どんなことにも意味がある)
本文では、それぞれの感覚をどうやって伸ばせばいいか、具体的なアドバイスをしています。
土井は、出版の仕事を通じて、かなり過酷な状況を経験してきましたが、言われてみれば、あの経験のおかげで「なんとかなる」という感覚が大いに養われた実感があります。
年配世代は、「気合いだ!」とか「量をこなせ!」とか言わずに、それがなぜメンタルを強くするのか、その仕組みを語れば、若い方も少しずつチャレンジするようになるのではないでしょうか。
この枠組みは、マネジメントに携わる上司や親、教師こそ、知っておくべきなのかもしれませんね。
どん底の日本に必要なのは、小手先の知識やテクニックではなく、逆境のなかでも「これから作り上げてやろう」と思う「気概」だと思います。
老いも若きも「なんとかなる」の精神でチャレンジする日本にしたいですね。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
—————————-
なんとかなった経験があるからこそ、次もなんとかなると思える
たとえうまくいく要素が5割、うまくいかない要素が5割であっても、うまくいかない要素ばかりにフォーカスしていたら、「なんとかなる」とは思えないものです。うまくいく要素にフォーカスして「なんとかするぞ」と取り組む人のほうが、「なんとかなる」と思える力の強い人です
見通しが立つこと、状況が理解できていることなど、把握する力(把握可能感)も「なんとかなる」と思えるかどうかに影響します
「人間関係」「人に頼る力」も「なんとかなる」と思えるためには大切
把握可能感は、ルールや規律、価値観、責任の所在などが明確な環境で経験を重ねることにより育まれる
処理可能感は、大きすぎず小さすぎず、バランスがとれた適度な課題を与えられクリアしていくことで得られる「成功体験」により高められる
有意味感は、好ましい結果が得られたことに自分自身も参加・参与したという人生経験を通して高められる
自分が所属するコミュニティにどのようなルールや規則があるのかを調べ、把握してみる
「準備すること」は把握可能感を高めることにつながります
「何年か先の自分を想像すること」、もっというと「数年先の“なりたい自分”についてイメージすること」が、把握可能性を高めるのに役立ちます
枠組みが広くない人は、自分の評価基準に当てはまらない人や出来事に遭遇すると不安や違和感を抱きやすくなってしまいます
なぜ「なんとかなる」「なんとかできる」「乗り切ることができる」という感覚をもてるのかというと、乗り越える際に必要となる「資源」があるからです。「資源」には、「人脈」「知力」「経験」「お金」「権力」「地位」などがあります
人の力を借りて成功体験を積む
似たような状況の人の本を読む
—————————-
専門知識にのっとった知識の枠組みとちょっとしたアドバイスが書かれた内容ですが、欲を言えば、もっと積極的に著者の経験や意見を書いて欲しかった。
業界の先輩方にか、クライアントにかわかりませんが、ちょっと周囲に遠慮し過ぎた感がありますね。
とはいえ、テーマとなる「なんとかなる」感覚(=首尾一貫感覚)の正体と、それを高める要素については、きちんと説明できており、良い本だと思います。
メンタルを強くしたい方は、ぜひ読んでみてください。
———————————————–
『「なんとかなる」と思えるレッスン』舟木彩乃・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479932991X
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0CJ52ZBM1
———————————————–
◆目次◆
はじめに
第1章 ストレスにつぶされないために
第2章 だいたいわかった 把握可能感を高めるレッスン
第3章 なんとかなる 処理可能感を高めるレッスン
第4章 どんなことにも意味がある 有意味感を高めるレッスン
おわりに
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。