【B/Sがわかる経営者に】
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本日の一冊は、日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞、中小企業の経営指導や<1日36万円の「かばん持ち」>研修プログラムでも知られる株式会社武蔵野の小山昇社長が、中小企業経営者のための数字の読み方を指南した一冊です。
財務3表のうち、経営において一番大事なのは、貸借対照表(バランスシート・B/S)ですが、多くの中小企業経営者は、損益計算書(P/L)は見ても、B/Sは見ません。
「黒字倒産」という言葉があるように、会社はたとえ儲かっていても潰れることがある。資金が回らなくなった時が、会社の最期なのです。
だからこそ、資金の状態、経営の健全さをチェックする上で、B/Sが大事。
本書では、その読みどころと、実際の経営について、ベテランの著者が、中小企業経営者目線で解説しています。
数字の原因となる社長のマインドや行動についても切り込んでおり、なかなか実践的な内容。
さっそく、いくつかポイントをチェックして行きましょう。
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森社長が社員を救えたのは、慈愛の心を持っていたからだけではない。高額の治療費を払って飛行機を一台チャーターする「キャッシュ」を持っていたからです
無借金にこだわれば、社長の意思で自由に動かせるキャッシュの量が増えません
経営は「率」ではなく「額」
2008年度に限れば、その約2分の1は“黒字倒産”でした
お客様増、社員教育、インフラ整備──この3つに適切に投資し続ければ、会社は継続的に成長していけます
キャッシュをつくる方法は、「(1)事業で利益を出す」「(2)減価償却する」「(3)銀行から借り入れる」、この3つしかありません
モノはなるべく早く捨てて、新しいモノを買うために借金をするのが正しい
奥さんが主婦感覚で経理をしていたら、1円単位のコストカットが進むと同時に、100万円単位、1000万円単位の投資にもブレーキがかかります
個人の感覚で投資のことを考えていたら、成長が止まります。会社は、借金してキャッシュを持ち、それを未来に投資するのが正しい
変動金利より固定金利
1億円の土地があって2000万円借りたいなら、土地を分筆(一筆の土地を数筆の土地に法的に分割する)して、2000万円分だけ抵当権をつけます。残りの8000万円は、いざというときに担保として活用する。手間とコストをかけても、そのほうが安全です
「資産は上へ、負債は下へ」が社長の仕事
商売を継続的に回していくには、取引先の利益にまで気を配る必要があります。そう考えると、支払いサイトが長いのはダメ。買掛金はできるだけ減らして、そのほかのところ(B/Sの「負債の部」の下のほう)で資金調達してキャッシュを蓄えることが正解です
支払手形をゼロにできたら、当座預金口座をなくしてもいい
人件費を抑えたければ、ムダな仕事を減らすのが一番
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<投資先は「お客様増」「社員教育」「インフラ整備」の3つだけ>
<奥さんに経理をやらせてはいけない>
<「資産は上へ、負債は下へ」が社長の仕事>
<お客様は信用しても、支払手形は信用しない>
などと、具体的なアドバイスが書かれているのが特長で、経営改善のヒントになると思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『数字は人格』小山昇・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
プロローグ 数字が人格、お金が愛
第1章 会社の命運は「キャッシュ」が握っている
第2章 銀行から無担保・無保証で借りる3つの方法
第3章 社長は「B/S」のココだけ見ていればいい
第4章 赤字から黒字へ!「数字は人格」でV字回復
第5章 社員を「数字」で育てる
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