2016年7月9日

『世界最高の人生哲学 老子』守屋洋・著 vol.4371

【リーダーのための『老子』】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797387580

10年ほど前に、「団塊ジュニアが40代になると、健康本と思想本が売れる」という予測を立てましたが、健康本の方は完全に実現しました。

40代になると身体が衰え、死を意識することで思想を求めるようになる。

これから、思想本はもっともっと売れてきていいと思います。(アドラーもある意味、思想ですが)

そこで本日ご紹介したいのが、人生哲学としての『老子』。著者は、中国古典に精通する著述家の、守屋洋さんです。

著者は、SBI大学院で経営者・リーダー向けに中国古典の講義をしているらしく、本書の内容もビジネスリーダーに寄ったものです。

これからの生き方を考える上で、またリーダーとしてのふるまいを考える上で、勉強になる一冊だと思います。

書き下し文と現代語訳、そして著者の解説が入った内容で、『老子』をどうマネジメントに活かせば良いか、よくわかる内容です。

マネジメントの本を読むのも良いですが、たまには本書を読んで、「あるべき姿」から理想のマネジメントを考えるのも良いでしょう。

いくつか、気になった部分をピックアップしておきます。

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最も理想の生き方は、水のようなものである。水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人の嫌がる低い所へと流れていく。だから、道のありように近いのである。低い所に身を置き、淵のように深い心を持っている。与えるときは分け隔てがなく、言うことにいつわりがない。国を治めては破綻を生ぜず、物ごとには適切に対処し、タイミングよく行動に移る。これこそ水のあり方に他ならない。水と同じように、逆らわない生き方をしてこそ、失敗を免れることができるのだ

この世の中で、水ほど弱いものはない。そのくせ、強いものにうち勝つこと水に優るものはない。それは他でもない、弱さに徹しているからである。柔は剛に勝ち、弱は強に勝つ

道を体得した人物は、すべてをあるがままに受け入れて、知ったかぶりをしない。万物を自然の成長にまかせて、みずから手を加えない。手を貸しても見返りを期待しない。功績を立てても鼻にかけない。だから、いつまでもその地位を失わないのである

足ることを心得ていれば、辱めを受けない。止まることを心得ていれば、危険はない。いつも安らかに暮らすことができる

原木は細工を加えられることによって製品となる。しかし、道を体得した人物は、原木の素朴さを保持することによって万物の主宰者となる。素晴らしい製品とは、もともと細工など加えないものである

溢れるほど注ぎ込んだ水は、すぐにこぼれる。鋭く研ぎすました刃物は、折れるのも早い。部屋いっぱい財宝を貯め込んでも、守りきれない。偉くなって得意顔をすれば、足を引っ張られる。仕事を成し遂げたら身を引くのが、天の道である

道を体得した人物は、あらゆる人を生かして使い、人も物も使い捨てにしない。これこそ類まれな英知と言うべきだ

無為を守ってあるがままに生きる者こそ長命であり、死してなお恩沢を残す者こそ永遠に生きるのである

天も地も永遠に続いていく。なぜか。自分のために生きようとしないからである。だから、永遠の生命を与えられるのだ

「道」を体得した人物は、貯め込まない。人に分け与えることによって、いよいよ豊かになる。天は、万物を害わず、ひたすら恵みを与える。「道」を体得した人物も、人と争わず、ひたすら人のために尽くす

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水のような生き方、細工を加えない製品、人も物も使い捨てにしない、死してなお恩沢を残す…。

会社経営をしている方、マネジャーとして日々奮闘している方は、たまにリラックスして本書を読めば、きっと思わぬ経営のヒントが見つかるはずです。

ぜひチェックしてみてください。

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『世界最高の人生哲学 老子』守屋洋・著 SBクリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797387580

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◆目次◆

第一章 根本思想「道」とはなにか?
第二章 足るを知り、あるがままに生きる
第三章 俗を超えて、たくましく生きる
第四章 人に振り回されず、成功をめざす
第五章 こだわらずおおらかに生きる
第六章 人の上に立つリーダーのありかた

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