【コンサルタントの教訓集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534054076
コンサルタントという職業は、すっかり花形になりましたが、実際には、傍から見るほど華やかな仕事ではありません。
クライアント企業の人間関係や政治に巻き込まれて悪者にされたり、現場がやる気を出してくれずに途方に暮れることだってあるのです。
コンサルタントはそもそも外部者なので、やり方を間違うと協力を得られず、結果を出せない。だからこそ、コンサルタントを生業にする人は、コンサルタントの作法を学ぶ必要があるのです。
そこでご紹介したいのが、本日の一冊『オラクル流コンサルティング』。
著者のキム・ミラー氏は、オラクルの北米のコンサルタントとプロジェクトマネジャーの全員を対象としたコンサルティング研修を開発した人物で、本書にはそのノウハウが詰まっています。
クライアントの信頼を獲得するのに必要なこと、仕事・会議の進め方、書類の書き方、人間関係術、コンサルタントのキャリアまで、幅広いトピックが網羅されています。
結果を出せるコンサルタントになるために、また下手を打ってクライアントの信用を損なわないために、ぜひ読んでおきたい内容です。
さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。
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「クライアントに早い段階からプロジェクトに対する当事者意識を持たせる」という本来の任務を達成できなければ、結局、クライアントの利益に反することになる
プロジェクトマネジャーから特に指示がないかぎり、私有のドキュメントやツールは共有してはいけない。仕事先で共有したツールを勝手に利用することで、個人営業でなんとか食い扶持を稼いでいるような独立コンサルタントも中にはいるからだ
「自分の上司が上からどう評価されているか把握し、彼の成功に貢献しなさい」
最初に最も単純な原因から排除していくべきだ。コンサルタントもクライアントも経験が浅いと、すぐに複雑なソリューションに飛びつこうとする
たとえクライアントが短パン姿でも自分はスーツを着る
建設的な批判は「事実ベース」が基本
特定のメンバーをみんなの前で叱りつけるのではなく、完了すべきだったタスクの概略を説明し、新しい期限を設定するだけに留めよう
オラクルのトップコンサルタントは、つねに代替案を用意している
実績を積むには、他人の実績を利用するのが一番の近道だ。プランを立てるときは、他のコンサルタントやマネジャーに遠慮なく協力を求めよう
コンサルタントの務めは、決断に必要な情報をクライアントに提供することだ。したがって、つねに各選択肢のメリットとデメリットを説明する必要がある。都合の悪い事実を隠しているとクライアントに思われたら、たちまち信用を失ってしまう
組織の中で対立があっても、プロとして一定の距離を保とう
ミーティングに必要なのは主に、状況説明がうまい人、意思決定者、決定事項を遂行する人の3人
特定の人を非難する記述はプロ失格
クライアントに恥をかかせるような質問はしない
くれぐれもクライアントの私生活や社内政治には立ち入らないように注意しよう
クライアント企業の理念や目的をいつでも参照できるように
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実際にコンサルティングをしたことのある人なら、ここに登場する心構えがいかに大事か、実感しているでしょう。
著者のコンサルタントとしてのプロ意識がにじみ出ており、背筋がピンと伸びる、教訓集でした。
これはぜひ、読んでみてください。
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『オラクル流コンサルティング』キム・ミラー・著 夏井幸子・訳 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534054076
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◆目次◆
なぜ、オラクルのコンサルタントは業界ナンバーワンなのか?
PART1 コンサルタントという職業
PART2 オラクル流 コンサルティングの基本
PART3 信頼を自分の手でつかみ取る
PART4 コンサルタントの「腕の見せ所」はここだ
PART5 他人に自分のキャリアを委ねるな
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