2016年7月27日

『「時間の使い方」を科学する』 一川誠・著 vol.4389

【心理的時間を変えて、人生を充実させる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569831257

先日、リフレッシュしに旅行に行ってきましたが、旅行中というのは、なぜか時間が長く感じるものです。

仕事でもプライベートでもそうですが、時間が長く感じる時と短く感じる時がある。

一体これはなぜなのか? 本日ご紹介する一冊は、その謎に切り込んだ、画期的な読み物です。

『「時間の使い方」を科学する』は、われわれの体感時間の違いの秘密を、基礎心理学の視点から明らかにし、効率的な時間の使い方、満足感のある時間の過ごし方を指南したユニークな一冊。

著者は、千葉大学文学部教授で、実験心理学を専門にしている、一川誠(いちかわ・まこと)さんです。

本書によれば、旅行が長く感じられるのは、広い空間や明るい空間で過ごす時間は、狭い空間や暗い空間で過ごす時間より長く感じられるから。

ちなみに、大きな画面を見ながら過ごす時間や大きな音を聞きながら過ごす時間は、小さな画像を見ながら過ごす時間や静かな空間で過ごす時間より長く感じられるそう。おそらくこれが映画が好まれる理由でしょう。

このように、本書にはわれわれが時間を長く感じたり、短く感じたりするメカニズムが書かれており、とても勉強になります。

さっそく、気になったポイントを見て行きましょう。

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経過した時間の長さが物理的には同じであったとしても、その間に体験された出来事の数が多いほど、長く感じられます。たとえば、
同じ映画を早回しで1分間見た場合とスローモーションで1分間見た場合、前者のほうがさまざまな画像が提示されるため、後者よりも長く感じられます

時間経過に注意を向ける回数が多い期間ほどその時間を長く感じます

大きな画像を見ながら過ごす時間や大きな音を聞きながら過ごす時間は、小さな画像を見ながら過ごす時間や静かな空間で過ごす時間
より長く感じられます。また、広い空間や明るい空間で過ごす時間も、狭い空間や暗い空間で過ごす時間より長く感じられる傾向があります

強い恐怖心は、感じられる時間の長さを間延びさせる

代謝が激しい状態のときのほうが、時間を長く感じる

朝、起床した直後にはまだ代謝は低い状態ですが、その後だんだんと激しくなり、午後の遅い時間帯にピークとなります。その後、まただんだんと低下し、就寝中に最も低下します

代謝は加齢によっても変動します。一般的には子どもの頃は身体の代謝も激しく、それを反映して、体温も高めです。ところが年をとると、だんだんと代謝は低下し、それと対応して体温も下がってきます。こうしたことから、同じ長さの時間であっても、子どもよりも高齢者のほうが短く感じやすいのです

実は、私たちには、目標となる対象について、時間的にも、空間的にも、近づくほどにモチベーションが強められるし、行動が積極的になる傾向があります。こうした特性は「目標勾配」と呼ばれています。この「目標勾配」の特性があるため、私たちは、とりあえず少し努力をして目標となる状態に時間的に近づくことにより、取り組んでいる作業により積極的になれます

1分間と感じられる時間の長さがおおよそ1分間に近ければよいのですが、長めになりやすい人、短めになりやすい人は、普段の時間の長さの見積もりにおいても同様の誤りが生じやすいことを知っておいてください

充実した時間を得られにくい生活
(1)マンネリ化 (2)多忙

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企業であれば、お客様の待ち時間の負担を減らすため、個人であれば、生産性を高めるためや、余暇を充実させるために読むといいで
しょう。

「時間を制するものは、人生を制す」

ぜひ、読んでおきたい一冊です。

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『「時間の使い方」を科学する』一川誠・著 PHP研究所

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◆目次◆

第1章 「感じられる時間」の長さ
第2章 サーカディアンリズムと現代人
第3章 時計の時間、社会の時間
第4章 なぜ人は大事な作業の前に掃除をするのか
第5章 時間を作り出す技術
第6章 予定通り進まない場合の対処法
第7章 作業効率を高める時間管理術
第8章 「感じられる時間」を操作する
第9章 充実した時間の作り方
第10章 有限な時間と有限な人間

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