2015年3月25日

『起業の疑問と不安がなくなる本』中野裕哲・著 vol.3900

【起業にかかわるあらゆること】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534052634

本日の一冊は、起業支援サイト「ドリームゲート」で起業相談者数全国1位の著者が、起業にかかわるあらゆることをまとめた一冊。

著者の肩書きを見ると、「起業コンサルタント」のほかに、税理士、特定社会保険労務士、行政書士となっているので、あくまでその点からのアドバイスであるということは認識して読むといいでしょう。

そのため、本書でも内容のほとんどは起業の手続きや創業融資、助成金、税金、社会保険などの話になっており、肝心の集客やビジネスモデルに関するノウハウは手薄です。

しかしながら、数多くの相談に乗ってきた経験から語られた成功する人・失敗する人の話は興味深く、起業を目指す人は、ここだけでも読んでおくといいでしょう。

<起業の成功者は、必ずと言っていいほど、そのビジネスの経験者>=事業を3年間継続できる人は、その事業の経験者が多い

<コレだけは絶対やってはいけない!>
1.人の引き抜き
2.取引先を強引に奪う
3.技術や顧客リストを持ち出す

また、よく論点になりがちな「会社にするか個人事業か?」の選択基準についてもわかりやすくまとめられており、参考になります。

◆会社にするか個人事業か?の選択基準
(1)原則、個人事業で2年間消費税の免税を受けてから法人化し、さらに2年間免税を受けるのが有利
(2)所得(年間の利益)が500万円~1000万円くらいを超えたら会社設立したほうが有利

資本金1円やバーチャルオフィスの利用など、最近は身軽なことやローリスクであることを強調した起業が目立っていますが、そうしたやり方のデメリットに関してもきちんと論じられているため、起業を目指す方は読んでおくといいでしょう。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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個人信用情報に延滞などのネガティブな事故情報があれば、創業融資の審査を突破するのはかなり難しい

いついかなる時にジョイントベンチャーに最適な相手が現われてもいいように、共通した条件を決めておきましょう。たとえば、「見込客を紹介してもらい、無事に成約したら、売上(税抜)の20%をお支払いする」などです。相手の記憶に残るように、単純なルールにしておくことが理想。いつでも提携関係を結べるように、あらかじめ、業務委託契約書のひな形を用意しておきましょう

融資制度の多くは審査上、自己資金割合が10分の1から2分の1程度あることを重視しています

身内からの借入は後まわしにしたほうが無難

許認可が必要な事業を行なうときは、「定款」のなかの「事業目的」に許認可に適した目的を入れる必要があります

出資総額の3分の2以上を確保すれば、創業役員以外からの予期せぬ議決を防止でき、安定的な経営状態をつくることができます

◆会社にするか個人事業か?の選択基準
(1)原則、個人事業で2年間消費税の免税を受けてから法人化し、さらに2年間免税を受けるのが有利
(2)所得(年間の利益)が500万円~1000万円くらいを超えたら会社設立したほうが有利

大手企業との取引を予定しているのであれば、起業前に内規で決められた基準をなんとか聞き出しておく

銀行の法人口座は開設できるのか
結論から言うと、何も実態のないバーチャルオフィスだとほぼ無理

許認可が絡む業種の場合、バーチャルオフィスの利用は避けるのが無難

厚生年金保険、健康保険や雇用保険に加入できるか否かの境目は、「会社専用のキャビネットがあり、そこに財務諸表や帳簿類を置いておける状態かどうか」

現在登録されている商標は、独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供する「特許電子図書館」で検索できます

独自ドメインが登録できるかどうかは、「お名前.com」(http://www.onamae.com)などのドメイン登録サービスのサイトで検索すれば調べることができます

起業当初の社会保険料コストを抑えたいなら自分の役員報酬額を低く設定するというのがセオリー

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『起業の疑問と不安がなくなる本』中野裕哲・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534052634

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◆目次◆

第1章 起業の不安
第2章 集客・マーケティング
第3章 創業資金・助成金
第4章 会社設立・許認可
第5章 人事労務・社会保険
第6章 税務会計・銀行取引
第7章 ビジネスプラン・事業計画書

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