2015年3月18日

『社長の覚悟』柴田励司・著 vol.3893

【人事のプロが教える、社長の心構え技】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478062455

本日の一冊は、38歳でマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)の日本代表に就任、カルチュア・コンビニエンス・クラブのCOOを経て、経営コンサルティング会社を立ち上げた著者が、社長が持つべき心構えを説いた一冊。

多くの中小企業を率いているのは、「自ら動く」社長ですが、本書では、<動きすぎる社長が会社を潰す!>として、自発的に動く社員を作る大原則を述べています。

・動きすぎる社長の下では「ヒトが育たない」
・社長の仕事は、「動きたくなる」環境づくり
・退路を断つ覚悟が、社員が動く「熱」になる

など、経営で気をつけるべきポイントが示されているほか、著者が部下とコミュニケーションする際、どうしているのか、具体的な例が示されています。

いくつか紹介しておきましょう。

◆マイノリティファースト
<本当に社員のための会議にするには、マイノリティファーストが大原則だと思います。たとえば、「会社で改善すべきこと」を議題にしたとします。みんなが「時間管理」について改善すべきだと言っている中、一人だけ「出張旅費の精算の仕方」を挙げてきたら、私はまずそこから取り組むことにします>

◆褒める技術
「今朝、みんなの机を拭いてくれていたよね」とか、「お客さんを玄関まで見送っていたよね」とか──でもいいのです。むしろ本人が「褒められよう」「評価されよう」と思ってしたこと以外について、言ってあげた方が効くかもしれません

◆「聞いているよ」のサインを示すテクニック
私がよくやっているのが、社員から聞いた内容を自分なりに整理して、確認メールを送ることです。「さっき聞いた話だけど、つまり◯◯◯◯(自分なりに整理した内容)でOKだよね?」と社員に改めて問いかけることで、社員としては「社長は話をちゃんと聞いてくれただけではなく、咀嚼までしてくれている」と感じてくれます

従業員のモチベーションを上げる方法論は、さまざまな本で紹介されていますが、本書はシンプルな原則と実例で教えているので、すぐに実践可能な内容だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–

動きすぎる社長の下では「ヒトが育たない」

社長の仕事は、「動きたくなる」環境づくり

本当に社員のための会議にするには、マイノリティファーストが大原則だと思います。たとえば、「会社で改善すべきこと」を議題にしたとします。みんなが「時間管理」について改善すべきだと言っている中、一人だけ「出張旅費の精算の仕方」を挙げてきたら、私はまずそこから取り組むことにします

「今朝、みんなの机を拭いてくれていたよね」とか、「お客さんを玄関まで見送っていたよね」とか──でもいいのです。むしろ本人が「褒められよう」「評価されよう」と思ってしたこと以外について、言ってあげた方が効くかもしれません

私がよくやっているのが、社員から聞いた内容を自分なりに整理して、確認メールを送ることです。「さっき聞いた話だけど、つまり◯◯◯◯(自分なりに整理した内容)でOKだよね?」と社員に改めて問いかけることで、社員としては「社長は話をちゃんと聞いてくれただけではなく、咀嚼までしてくれている」と感じてくれます

人の評価や評判に関することを聞いたら、すぐに動きたくなるのをグッと我慢して、まずは両者の話を「聞く」。そうやって両方からの情報を得たうえで、社長として判断を下して動くことを徹底した方がいい

絶対にやってはいけないのが「メッセンジャーを撃つ」こと。つまり、悪い報告を受けたとき、その場の感情に任せて報告者を怒鳴ったり、責め立てたりすることです

人と人との組み合わせの問題は、短絡的に「どちらがよくて、どちらが悪い」的な結論を出して動いてしまうと、片方に遺恨を残す可能性があります

アウトプットのイメージを共有する前に仕事を任せても、こちらが思うような成果は出てこない

「新たに始めること」「継続すること」「やめること」この三つのバランスを考えて事業を取捨選択していかないと、すぐに経営は行き詰まります。特に「やめる」決断は重要です

何か新しいことを始めるならば、代わりにほかの何かをやめなければなりません

————————————————

『一流の人はなぜそこまで、見た目にこだわるのか?』中井信之、俣野成敏・著 クロスメディア・パブリッシング
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478062455

————————————————-

◆目次◆

プロローグ 三八歳・新米社長、私の失敗
法則1 社員を動かそうと思ってはいけない
法則2 「社員のために」がヤル気を生む
法則3 伝えたいときこそ 聞く
法則4 悪い報告こそ歓迎する
法則5 できない社員には できるための支援を
法則6 何かを始めたら 何かをやめる
法則7 異動や抜擢で「いまに甘んじない組織」に
エピローグ 社員の先に見るべきもの

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー