2015年3月30日

『事業は人なり』松下幸之助・著 vol.3905

【経営の神様・松下幸之助の「人の使い方」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569824161

世の中には、人を使うのが上手い人とそうでない人がいるわけですが、たとえ上手な人であってもなかなか超えられないのが、「経営の神様」と言われた松下幸之助氏。

氏は、リーダーシップやマネジメントに関して山ほどの言葉を残しており、以前京都のPHP本社に伺った際、膨大な生前の資料に驚きました。

氏は、部下に自分の講演を記録させる習慣があったようで、そこには学校で講演した際の記録などが、さくさん収蔵されていました。

だからこそ今日でもわれわれは、氏の教えに触れることができるわけです。

本日ご紹介するのは、そんな松下幸之助氏が『人事万華鏡』というタイトルで出版したものの新装版。

人事のプロである、リンクアンドモチベーションの小笹芳央氏が、「私にとってのバイブル」とオビ推薦を書いています。

内容には、「衆知を集める」「心配をすることが社長の仕事」など、氏がこれまでに述べてきたものも含まれていますが、読んでみて、なぜ氏があれほど人を使うことができたのか、その理由がわかった気がしました。

ノウハウというよりも、むしろ背中を見せられている気がする本なのです。

というのも、本書には経営における「采配のポイント」とでも言うべき内容が書かれており、実際に同じ局面に遭遇したことのある経営者・マネジャーなら、きっと感じるものがあるからです。

・どうやったら部下を正しく叱ることができるのか
・どうやったら人の悩みが減るのか
・どうやって部下に任せれば動いてくれるのか
・自分の欠陥とどう付き合うべきか
・ストレスにどう対処すべきか

こんな悩みを抱えている経営者・マネジャーなら迷わず「買い」です。

納得できない方のために、いくつかポイントを紹介しておきましょう。

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「人を使うのは公事」
「人を使うのは、それによってよりよく社会に貢献するためである。そう考えるところから、叱るべきは叱り、ただすべきはただす信念も生まれてくる」

「知識、才能というものについては負けてもいい。それはすぐれた人がたくさんいるだろうし、負けてもいい。だが、この仕事をやっていこうという熱意だけは君が最高でなくてはならない。そうであれば、みなが働いてくれるだろう」

「秘密主義では結局、ほんとうに事業を伸ばしていくことはできない」

「上に立つ人は自分の欠点を部下の人たちに知ってもらい、それをカバーしてもらうようにすることが大事」

「太閤さんは石田三成を相手に自分の心の憂さを晴らしつつ、それで天下をとった。身近に悩みや愚痴のいえる部下を持つことも成功の大きな要因になる」

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他人に言えないものと上手く付き合うために書籍はあるのだと思いますが、本書はまさに経営者・マネジャーが「他人に言えないこと」と上手く付き合うために存在する書籍です。

ぜひ読んでみてください。

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『事業は人なり』松下幸之助・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569824161

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◆目次◆

人を使う
人を動かす
人を育てる
人を生かす
人間というもの

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