【良い会社を作るには。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569823742
本日の一冊は、社員満足度「東日本1位」、売上「業界1位」を達成した「生活の木」代表取締役CEO、重永忠さんによる一冊。
土井の兄が花屋をやっており、業界が近いこともあって、噂は聞いていたのですが、そのCEOの思想が読めるとは思ってもいませんでした。
読み始めたら、目からウロコの連続。テイスト的には、かつてベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』を思わせる内容でした。
※参考:『日本でいちばん大切にしたい会社』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632486
著者の経営思想の根幹は、「社員にとって都合の良いこと」「お客様にとって都合の良いこと」「会社にとって都合の良いこと」の「3つの歯車」を上手に回し、結果として社会が良くなるということ。
本書にはそのための仕組み作りと心構えが書かれているのですが、なかでも刺激を受けたのは、以下の部分でした。
<企業の納税の仕方にはふたつの考え方があります。ひとつは、「利益をたくさん上げて法人税をたくさん納める」という考え方。もうひとつは、「社員に還元して給与水準を上げ、社員の所得が増えることによって、社員が納める所得税を増やす」という考え方です>
これまで、社会のために「節税しないで税金をたっぷり払う」をモットーにしてきたのですが、そんな考え方があったのかと驚きました。
また、取引業者のために「売れないときでも原材料は安定仕入れ」社員に収入面で報いるために「テレビ広告は打たない」など、興味深い考え方が示されており、まさに「三方良し」を徹底している経営思想だと、感銘を受けました。
現在流行の「マニュアル化」に対抗する考え方も示されており、じつに刺激的な経営思想です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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税引後利益の3分の1を「決算賞与」として支給
私の尊敬する経営者の方々もおっしゃっていることですが、企業の納税の仕方にはふたつの考え方があります。ひとつは、「利益をたくさん上げて法人税をたくさん納める」という考え方。もうひとつは、「社員に還元して給与水準を上げ、社員の所得が増えることによって、社員が納める所得税を増やす」という考え方です
給与の額や安心感も重要ですが、私はそれに加えて「自分の仕事や会社に誇りを持てること」も大事な要素だと考えています。例えば、「その会社の本業が社会の役に立っている」というプライドです
全社員の誕生日が言える経営者たれ
社長の顔が見えないと社員の士気は下がる
◆調査でわかった社員の不満
1.「もっと勉強したい(研修をしてほしい)」
2.「社長に会いたい」
毎日、社員にバースデーカードを書く
社長室をブラックボックスにしない
この人たちの生活は、うちがラベンダーを買うことで成り立っています。ですから、生活の木では、売れようが売れまいが、毎年安定的にそこからラベンダーを買っているのです
生活の木はテレビコマーシャルは使いません。なぜなら、私たちのマーケティングは「口コミ」を基本にしているからです
企業が自らを実物以上に飾り立てて見せても、今は消費者や生活者に見抜かれます
会社にとって“良い”ルール違反なら許す
変化の時代にマニュアルは似合わない
社員には「“お客様貯金通帳”をつくりなさい」と言っています。“貯金通帳”というとお金が貯まるみたいで誤解を招きそうですが、要するに、「お客様のお顔やお名前、その方とのやり取りを、通帳にお金を貯めるように増やしていきなさい」というわけです
会社の仕組みが悪いから社員がミスをする
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『まかせる経営 ノルマをなくせば会社は伸びる』重永忠・著 PHP研究所
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◆目次◆
第1章 「社員の幸せ」を一番に考える
会社を家族にたとえる経営
第2章 一人ひとりの社員と直にふれあう
社員と物語を紡ぐ経営
第3章 言葉と行動を一致させる
つじつまの合う自然体経営
第4章 形だけの制度はつくらない
差別をなくす平等な経営
第5章 マニュアルなしの人材育成
人を育て続ける経営
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