2012年1月19日

『イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル』 クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーセン・著 Vol.2738

【クリステンセン、待望の最新作】
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本日の一冊は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授であり、名著『イノベーションのジレンマ』の著者でもある、クレイトン・クリステンセンが、破壊的イノベーターの5つのスキルを明らかにした一冊。

※参考:『イノベーションのジレンマ』
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セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ、アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス、イーベイのピエール・オミダイア、リサーチ・イン・モーションのマイク・ラザリディスなど、米国を代表する起業家たちにインタビューをした……ところまでは、よくある話ですが、本書の白眉は、彼らが行った大規模な実験。

75カ国以上の500人を超えるイノベータと、5000人を超える企業幹部のデータを分析し、「イノベータDNA」と呼ぶ5つのスキル―「関連づける力」「質問力」「観察力」「ネットワーク力」「実験力」を明らかにしています。

興味深かったのは、「成熟し、衰えゆく組織は、一般に実行力の高い企業幹部に牛耳られていることが多い」という指摘。

著者らによると、大企業が破壊的イノベーションに失敗する理由は、「実行力で選ばれた人材が最高経営層を占めることにある」。

おそらく日本を代表する大企業のほとんどはここで指摘されている状態にあり、これを打破するには、経営陣に「発見力」に優れた人物(=イノベータ)を登用するほかありません。

では、この発見力を高めるためにどうすればいいのか?

本書では、偉大な起業家たちの事例を紹介しながら、この「発見力」を高める方法を説いています。

イノベータを目指す方、起業家として成功したい方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アップルの有名なスローガンを借りるなら、イノベータは「人と違う考え方をしている(Think Different)」ことがわかった。彼らの思考は、一見無関係に思える物事を結びつけ、独創的なアイデアを生み出すのに長けている

イノベータが人と違う考え方ができるのは、「人と違う行動」をとっているからこそだ。すべてのイノベータが、つねに疑問をもち、現状に風穴をあけるような質問を頻繁に投げかけていた

イノベータは標準的な経営幹部に比べて、質問、観察、ネットワーキング、実験に、ずっと多くの時間を割いていた

アップルの名を一躍世に知らしめたコンピュータ、アップルII。その鍵となったイノベーションの一つは、パソコンは静かであるべきだという、ジョブズの決定から生まれた。このこだわりは、彼が禅と瞑想をじっくり学んだ経験からきている

画期的な飛躍的前進は、多様な領域や分野が交わるところで見られることが多い。著述家のフランス・ヨハンソンは、この現象を「メディチ現象」と名づけた

イノベーティブな著名起業家が、発見力では上位一二%の得点をあげながら、実行力では上位四四%にすぎなかった

「なぜ企業向けソフトウェア・アプリケーションは、アマゾン・ドットコムやイーベイのような仕組みになっていないんだろう。いまはインターネットがあるのに、なぜ昔からやってきたのと同じ方法で、いまだにソフトウェアをインストールし、アップデートしているんだろう」(セールスフォース・ドットコム マーク・ベニオフ)

「全体と、些細な詳細の間を自由に行き来できる。この動きが、新しい関連性を生み出すことが多い」(スカイプ共同創業者 ニクラス・ゼンストロム)

アノマリーを発見し解消しようとする科学研究者は、それから目を背けようとする者たちに比べて、研究分野をより建設的に発展させる可能性が高い

すべての発見力のなかで、イノベータと非イノベータを最も区別する能力は、実験力

海外生活を少なくとも三カ月以上経験した人は、革新的な新規事業を立ち上げるか、製品を開発する可能性が、そうでない人に比べて三五%も高かった(暮らした国の数が一国増えるごとに可能性は高まったが、二カ国を超えると限界効用は逓減した)

同様に、勤めた産業や企業の数が多い人ほど、イノベーションの実績をあげている確率が高かった。勤務した産業が一つ増えることは、暮らした国が一つ増えることよりも、イノベーションを促す効果が大きかった

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『イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル』クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーセン・著http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798124710
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◆目次◆

第一部 破壊的イノベーションはあなたから始まる
第一章 破壊的イノベータのDNA
第二章 発見力その1―関連づける力
第三章 発見力その2―質問力
第四章 発見力その3―観察力
第五章 発見力その4―ネットワーク力
第六章 発見力その5―実験力
第二部 破壊的組織/チームのDNA
第七章 世界で最もイノベーティブな企業のDNA
第八章 イノベータDNAを実践する―人材
第九章 イノベータDNAを実践する―プロセス
第一〇章 イノベータDNAを実践する―哲学
結論 行動を変え、思考を変え、世界を変えよ

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