http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234803
本日の一冊は、コーネル大学、イェール大学、MIT、ウォートンなどで教鞭をとった辣腕コンサルタント、デビッド・シロタが、長年の経験とリサーチから、企業競争力を決定づける「モチベーションの3大要素」を提唱した、注目の一冊です。
1994年以降に行った、89カ国、237社、250万人の被雇用者に対する調査がベースとなった論考で、実際の被雇用者の声も交えながら、説得力のある主張が展開されています。
「熱狂する社員」がいて、高い競争力を実現している企業。反対に、社内に不信感が蔓延している企業。両者を比べながらの議論は、経営者、マネジャーに対し、「あなたは何を理想とするのか」という決断を迫る、そんな迫力に満ちあふれています。
古今東西の名経営者の言葉を引用しながら、マネジメントの本質と有効な解決策についても論じており、極めて読み応えのある論考です。
「企業の根幹は人である」「社員の幸せが顧客満足につながる」などといった美辞麗句は、あらゆる企業の理念に謳われていても、実践されることはほとんどありません。
その理由がなぜなのか。本書を読むことで少しは理解できた気がします。経営者・マネジャーの心構えとして、マネジメントの最低限の常識として、ぜひ押さえておきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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「好況、不況を問わず、高い収益性と安定性につながる王道がある。それは、社員の士気だ」(ハーブ・ケレハー)
情熱にあふれた社員は、会社に没頭している。会社と自分を同一視している
成功の原動力とは、会社(チーム)が負けていても、激しい変化や競争にさらされて現状が良くなくても、改善努力をやめないことである
「人材は必要とされるところに集まり、ふさわしい処遇を受けるところに留まる。それは人為的には操作できない。自然にそうなるのである」(ウォルター・リストン)
社員から見て唯一最大のモチベーションが何かを突き止めようとするのは時間の無駄である。社員の「最大の」欲求は一つではない
◆仕事のモチベーションにおける三要素理論
「公平感」「達成感」「連帯感」
人員削減後の三年間または五年間で、生産性が向上し利益を伸ばした企業は全体の三分の一にすぎない。さらに株価は、リストラ実施以前を下回っている
大多数の社員は「競争力のある」給与で、ほんのわずかでも他社より優位に立つことで大きな満足感が得られれば十分なのである
公平感の金銭的な二大構成要素は、雇用保障と報酬である。そして非金銭的な構成要素が「敬意」である
誰にとっても、自分が歓迎されていると感じることは、士気を高める
仕事に対する自由裁量を社員に与えることは、パフォーマンスにプラス効果
人が働くにあたって望む企業とは、利益を生み、徳を失わない会社である
仕事におけるプライドの源は三つある。「生産性の高い仕事をする」「価値ある能力を生かす」「重要度の高い仕事をする」
◆パフォーマンスのフィードバックに含まれる要素
「指導」「評価」「称賛」「報奨」「指揮」
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『熱狂する社員』
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■目次■
社員の情熱が企業を動かす
情熱はどこから生まれるのか?
公平感を示す(1)雇用保障
公平感を示す(2)報酬
公平感を示す(3)敬意
達成感を与える(1)ビジョン
達成感を与える(2)権限委譲
達成感を与える(3)やりがい
達成感を与える(4)フィードバック
連帯感を強める チームワーク
パートナーシップを確立する
成功への9ステップ
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