2005年8月24日

『<育てる経営>の戦略』

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マネジメントや評価の本質的な問題をすべて手段のせいにし、成果主義を礼賛した企業が今、どんな状態になっているのか、今後の評価制度はどうあるべきなのか、骨太の議論が展開されています。

もちろん、多くの方が指摘しているように、終身雇用制度が維持困難なのは事実であり、述べられていることは、制度を作る側にとっては、理想論に聞こえるかもしれません。

ただ、人間の動機づけや成長といった本質的な部分が制度にあわせて変わるわけではありませんので、やはり本書の主張は無視できないと思います。

日々苦労している人事の方に配慮する書き方がなされていなかったのは残念ですが、書いている内容は極めて正論です。

安易な解決策を期待するのではなく、経営者の課題として、素直に受けとめるべき主張ではないでしょうか。
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■ 本日の赤ペンチェック
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成果主義の犯した最大の罪は、そもそも賃金制度の問題ではなかった経営問題の多くを賃金問題に矮小化してしまったことにある。そのことで、多くの経営者・管理者が思考を停止させ、彼らが本来自ら責任をもって解決すべきだった経営問題の多くが見過ごされ、先送りされてしまった

業績という短期的で不安定な結果に対して、能力とはもっと長期的で安定的なもの

本来評価というものは、おおげさにいえば、上司が己の全存在をかけておこなうべきもの

成果主義になってから、上司に意見しにくくなった(中略)ついつい部下は上司の顔色をうかがうようになってしまい、会社にはイエスマンが蔓延することになる

「評価をしたがる」人びとも、自分が若いとき、叩かれっ放しで伸びたのかどうか胸に手を当てて考えてみてほしい

自分の部下で誰が賢くて、誰が馬鹿かもわからないような人間には、人の上に立つ資格などない

同じ金と時間をかけるのであれば、評価よりも、人材の育成にこそ金と時間をかけるべきなのだ

金では人は育たない。次の仕事を与えられることで、はじめて人は育つのだ。パフォーマンスが向上し、やがては会社の真の成長につながっていくのだ。まちがいなく、金ではなく次の仕事で報いるシステムが「育てる経営」には適合している

資源・能力の蓄積過程こそが競争優位を決定づける
手間暇かける必要はあっても、「育てる経営」こそが、一番確実で、一番成功確率の高い経営なのです
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『<育てる経営>の戦略』
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