2005年8月31日

『なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478374996

本日の一冊は、NHK教育テレビ「21世紀ビジネス塾」のキャスターとして、3年間で全国の中小企業約400社を取材した著者が、そのなかから珠玉のサンプルを抽出し、今後のビジネスのヒントやアイデアを紹介したものです。

著者がまとめた「10の発想転換」も参考になりますが、読み応えがあるのは、やはり豊富な成功企業の事例。タイトルの通り、見事、「御用聞き」で成功した企業の事例が詳しく紹介されています。

読者は、本書を読んで、現在どんなビジネスモデルが機能しているのか、そこでどんな試みがなされているのか、詳しく知ることができるでしょう。

ただ、あえて問題点を指摘すると、本書で登場する成功事例には、具体的な企業名がありません。実名が入っていたら、本書の内容を検証したり、さらに詳しく調べることができただけに、残念です。

ただ、「御用聞き」、つまり顧客にフォーカスすることの重要性を指摘した書籍としては、価値ある一冊だと思います。

中小企業経営者は、ぜひ読んでみてください。
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■ 本日の赤ペンチェック
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様々な角度から雑談をすることで、何気なく感じていた不満や要望が、言葉の端々に浮き上がってくる

◆営業ノルマが「売上」ベースではなく、「粗利」ベース
・商品ごとに値引きの割合は、すべて営業マンが自由に設定
・会社の財務は安定
・従業員たちにコスト感覚を身につけてもらう

高齢化社会では、資産も時間もあり、さらに、要求水準の高いお客様が増えていきます。言い換えれば、自分に適した商品を求めるお客様です。価格よりも価値観といった目に見えないものにお金を払ってくれる人たちです。こういったお客様に対して商売をするには、御用聞きが不可欠

御用聞きビジネスを広げていくときのポイントは、すでに販売して
いる商品と関係のあるものからスタートするのがよい

モノが動けば、そこには必ずといっていいほど、お金も動きます。さらに、御用聞き営業を突きつめていくと、お客様の購買についての情報も入ってきます。お客様のお金の流れと情報を把握することになれば、いずれはお客様の家計に合わせた金融商品の販売アドバイスなども出てくるかもしれません

◆クチコミが説得力を持つ理由
・中立性
・感動を伝えているから

怒られるとわかっていて、クレームを報告する人はいません

お客様の雑談が生まれる場づくりにおいて、もっとも大切なポイントが、共通の価値観を持つ人たちを集めること

探すだけでなく、発信する側に回ること。その発信した情報の価値があればあるほど、様々な情報が引き寄せられるようにやってきます
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『なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478374996
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■目次■
はじめに
第1の発想転換 「売りに行く」から「聞きに行く」へ
第2の発想転換 「商品の専門家」から「顧客の専門家」へ
第3の発想転換 「商品を売る」から「自分を売る」へ
第4の発想転換 「クレーム対策」から「クレーム歓迎」へ
第5の発想転換 「モノづくり」から「場づくり」へ
第6の発想転換 「一人勝ち」から「みんな勝ち」へ
第7の発想転換 「モノを売る」から「シーンを売る」へ
第8の発想転換 「まず日本」から「まず世界」へ
第9の発想転換 「顧客の声を聞く」から「従業員の声を聞く」へ
第10の発想転換 「職場づくり」から「晴れ舞台づくり」へ
おわりに 「競争する」から「創造する」へ
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