本日の一冊は、中田英寿や北島康介、杉山愛、乙武洋匡などをマネジメントしている、謎の実力派PR会社、サニーサイドアップについて、初めて本格的に扱った本です。
土井も雑誌をやっていた時などに、縁がありましたが、以前からおもしろい会社だと思って注目していました。
サニーサイドアップが、ものすごいノウハウや人脈、スピリッツを持っているのは間違いないのですが、問題は、そこを本で明かしているかどうか。
その辺厳しくチェックしながら、さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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企業相手のPR事業で養ったメディア対応能力を武器に、クライアントの潜在能力に注目して、まだ本人でさえ自覚していない隠れた魅力を発掘し、その魅力をPRの手法でメディアにニュースにしてもらい、クライアントのイメージを「ブランド化」し、より付加価値のある存在に育てる
「PR」の技術は、モノやサービスが余った現在の日本市場で企業や個人が自らの「ブランド戦略」を確立するうえで不可欠なもの
「ニュースをつくる仕事を自負する私たちにとって、PR活動は、単に情報をリリースし、メディアコンタクトを繰り返すことを意味しません。『メディアが報道する価値を認めてはじめて”情報”は”ニュース”となる』そんな言葉を原点に、ニュース素材をいかに演出するかを出発点とします」(SSUのホームページより)
「初めて」「意外性」はPRにおいて重要なファクターである
SSUでは、独自の基準で契約するクライアントを選定している(中略)専門分野で才能をまさにこれから開花させようとしているアスリートと契約するケースが多い
マネジメントビジネスは完全な手作りの仕事でなければならない
CM企画を考えるときに、そのCMがどんな反響をマーケットに与えるだろうか、というところから発想するアプローチ
クライアントのブランド価値を「管理」することではなく「経営」すること
PRとマネジメントの技術をうまく活用できれば、「いない人間」をPRし、その価値をブランド化し、金銭化することは十分に可能
企画力というのは、クライアントをどのようなブランドイメージで売り込み、メディアなどに展開するのかまずきっちり決めていく技術のことである
大きなリスクをとるからこそ、大きな話題を呼び、最高のニュースが生まれる
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さまざまな才能たちが露出し、話題となっていく様は、とてもエキサイティングなものであり、読み物としては楽しいですが、現象面や過程だけでなく、もっと深い仕掛けや成功の要因にまで突っ込んでいただければ、なお良かったと思います。
ただ、黒子であるサニーサイドアップをはじめて取り上げたという功績、そしてさまざまなケースのなかにヒントが散りばめられていることを考えれば、決して悪くはないと思います。
というわけで、本日の一冊は、
『サニーサイドアップの仕事術』
http://tinyurl.com/4zlh9
です。PRに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
■目次■
第1章 サニーサイドアップの原点、「PR」という仕事
第2章 個人の才能をブランドにする! SSU流マネジメントビジネス
第3章 プロジェクト! 中田英寿ビジネス
第4章 個人から企業へ――「東ハト」ブランドをPRの力で再生する
第5章 PR手法が企業とヒトのブランド戦略の要となる
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