2005年1月22日

『よくわかる!ソーシャル・ネットワーキング』

http://tinyurl.com/3m76j

本日の一冊は、メルマガ、ブログに続く潮流と見られている、「ソーシャル・ネットワーキング」の初の本格解説書です。

300ページを超える厚さですが、図やイラストを多用しているため、見た目ほどボリュームはなく、極めて読みやすい内容です。

この本、じつは読んでみたところ、意外に「当たり」です。装丁やタイトルから、最初は単に現在のソーシャル・ネットワークサービスを解説した本だと思っていたのですが、じつはネットワーク理論の基本からネットでの社交場で働く心理学などについても触れられており、読み物としても楽しめます。

特に、有名な「六次の隔たり論」や「弱い絆の強さ論」、「一人勝ちの理論」、「ハブやコネクターの理論」などは、今後のネット社会や個人のブランド化を考える上でも、大いに最高になるはずです。

今日は、引用が難しい本なので、要点をまとめてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック 
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◆アメリカ最大手のソーシャル・ネットワーク・サービスFriendster=2004年7月現在で約700万人の参加者

◆日本のソーシャル・ネットワーク・サービス=最大でも10数万人程度
・GREE
・mixi
・フレンドマップ
・UUME
・Echoo!
・トモモト

◆ソーシャル・ネットワーキングの特徴
原則としてフェースツーフェースの世界における友人や知人から招待がないとネット上のソーシャル・ネットワーキングに参加できない仕組み

◆ソーシャル・ネットワークを支える理論
・六次の隔たり論―すべての人は六次でつながる
・弱い絆の強さ論―問題の解決策は弱い絆のネットワークが持っている
・一人勝ちの理論―少数への集中現象が起きる
・ハブやコネクターの理論―ずば抜けて多数のリンクを持つノードに集中する

◆キュービーの事例(社内で活用)
社内でブログ風の仕組みを立ち上げ、柔らかい社員間の交流を実現

◆ANAフレンドパーク(対顧客で活用)
・2004年8月現在会員数8万5000人
・マイレージがそのまま電子マネーとして物販やサービス販売に活用できる
・個々のお客様の趣味や嗜好を把握する狙い
・メルマガ広告への高い反応率

◆ネットで働く「基礎心理学」その1
・単純接触の原理― 一体感や共同性
・好意の返報性
・類似性による親近効果
・相補性による親近効果
・プラスのストローク交換

◆ネットで働く「基礎心理学」その2
・強い「親和欲求」
・認知欲求
・「自己開示」が強化する知人の輪
・ストローク(接触)交換
・お互いが現代の「聴聞僧」の役割
・自己実現の確認の場
・イメージ力が豊かになる場

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この装丁じゃ一部にしか売れないでしょうが、内容はなかなか参考になります。次代のヒットメーカーを目指す方々、個人ブランドを確立したい方々は、ぜひ読んでみることをおすすめします。

というわけで、本日の一冊は、

『よくわかる!ソーシャル・ネットワーキング』

です。悪くない装丁ですが、メッセージ性がいまいちでしたね。

■目次■
1.ソーシャル・ネットワーキングとは何か
2.ソーシャル・ネットワーキングの歴史と背景
3.数々のソーシャル・ネットワーキング・サイトの事例
4.ビジネス活用事例
5.なぜ穏やかな信頼のコミュニティが育つのか?
6.ビジネスモデルはどうなっているのか?
7.ソーシャル・ネットワーキングの未来
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