【これなら売れる。】
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ここ数年で、従来の「売り方」重視のマーケティングはまったく効かなくなったと言っていいと思います。
「売り方」に代わって注目されているのは、ビジネスモデルの転換と、顧客発見に基づくイノベーション。
ビジネスモデル本は既に良書がいくつも出ていて売れていますが、もう一方の「顧客発見」というのがどうもわかりにくい。
本日ご紹介する一冊は、マーケティングの決め手となる「顧客発見」のポイントを、元博報堂のクリエイティブディレクターが説いた一冊です。
データ分析にとどまらず、いかに顧客のインサイトを発見し、商品開発やマーケティングにつなげていくか。
匿名ではありますが、著者が手掛けた企業の実例なども交えながら、具体的に論じられています。
「4つのP」ではなく、「5つのC」「分析→仮説」でなく、「仮説→分析」調査分析は結論でなく、未来への出発点
著者が大企業向けのマーケティングを実践していて気づいた視点がいくつも紹介されており、じつに興味深い内容でした。
さっそく、本書のポイントをチェックしてみましょう。
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◆5つのC
カスタマー(Customer)
コスト(Cost)
コミュニケーション(Communication)
コンプライアンス(Compliance)
クリエイティブ(Creative)
「外れ顧客」は未来への可能性を秘めています。平均値を重視し、一見リーズナブルですが批判されない分析ばかりするのは、マーケティング・センスがないと言われても仕方がありません
「面白いと思ったら、つくってしまおう」
ソニーの当時の商品づくりに流れていたスピリットです。商品企画に携わる人(経営者ふくむ)が、「こんな商品があったら生活が変わるよ、きっと」「自分だったらこんな商品が欲しいなぁ」。そんなパーソナルな思いの強さを大切にしていました
◆発売まもなく50万本を売り上げた、パイロットの万年筆「カクノ」万年筆を使ったことのない世代がどんどん増えている市場環境があります。その中で、ターゲットを子供にしました。入門用万年筆の位置づけです。したがって、1000円の買いやすいお値段。しかし、書き心地は大人用の本格万年筆と遜色ありません
◆商品アイデアを導き出す5つの方法
1.小さくしてキレイにする
2.上客だけをつかまえる
3.ひたむきさに共感させる
4.長く続いている老舗に学ぶ
5.関係のないところに関係を結んでみる
いい価値には、夢がふくまれています
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いろいろな気づきがありましたが、なかでも「外れ顧客」が持っている可能性については、見直してみる必要性があると感じました。
データを見る際、大多数の動きを見て簡単に結論づけるのではなく、「外れ値」を見ることで、新しいビジネスの可能性に気づく。
いまどきのマーケティングのヒントが、たくさん詰まっていました。
ぜひチェックしてみてください。
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『マーケティング・センスの磨き方』黒澤晃・著 マイナビ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839953295
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◆目次◆
第1章 センスアップへの近道は5つのC
第2章 集めるセンス
第3章 商品づくりのセンス
第4章 仕掛けのセンス
第5章 説得のセンス
第6章 巻き込むセンス
第7章 ブランディングを成功させるための7カ条
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