【一流商家・武家の家訓とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396113676
ビジネスのノウハウは、欧米から学ぶと相場が決まっていますが、事業を存続させるノウハウでは、世界一の長寿企業大国、日本に軍配が上がります。
本日ご紹介する一冊は、そんな日本を代表する財閥、商家の家訓を、作家であり教授の齋藤孝さんが紹介した一冊。
著者いわく「精神の背骨が失われつつある」現代に、家訓は一つの判断基準を与えてくれる。
欲望のままに生きようとする「エス」を、ルールや良心、宗教的倫理観にもとづく「スーパー・エゴ(超自我)」で抑えることで自我が形成されるそうですが、健全な自我を形成するために、家訓を活用しようというのが、本書の狙いです。
北条重時の家訓、武田信繁の家訓、渋沢栄一の家訓、出羽酒田の豪商・本間家の家訓など、さまざまな家訓が登場しますが、いずれも日々の生活、金銭の扱い方を戒める、重要な教えを含んでいます。
それぞれに原文と現代語訳、著者の解説が載っており、どこを読んでも興味深い内容です。
なかでも気になった家訓をチェックしてみました。ご覧ください。
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万人と睦び、あらゆる人から好意をもたれるように、一人一人にもれなく言葉をかけ、貧しいような者には憐みの情をかけ、妻子身内の者に至るまで、常に笑顔で接して、怒った様子を見せてはならぬ。(北条重時「六波羅殿御家訓」第一条)
怒りのままに即座に事を処理すべきではない。怒りを静めぬ前に、軽はずみに事を取裁くと、必ず後悔することがあるであろう。どうしても心が落ち着かぬことがあれば、眼を閉じてよくよく思案をするのがよい。(北条重時「六波羅殿御家訓」第四条)
他家の人に対して、自分の家中の悪事を決して語ってはならぬこと。云う、「善いことを行ってもながく世間に知られないが、悪事はすぐに千里の遠方まで知れわたる」(『伝燈録』)。また『碧巌録』に云う、「家中の醜事を外に向かってひろめることはない」(「武田信繁家訓」第三十七条)
自分の力量に不相応なことは一言たりとも言ってはいけない(「武田信繁家訓」第八条)
酒宴の席では貧しそうな身なりをしているものにはこちらから声を掛け、遠慮して下座にいる者は近くに招き、身なりで人を差別しないように(北条重時「六波羅殿御家訓」第八条)
物価の上下にかかわらず、よい商品を仕入れて、誠実かつ親切を第一として利益を貪ることのないように、お客様に接することである。(「伊藤松坂屋の家訓」第八条)
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飲む・打つ・買うといった家を滅ぼす3大要因についても、それぞれの家の教えが紹介されており、じつに興味深い内容です。
ぜひチェックしてみてください。
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『最強の家訓』齋藤孝・著 祥伝社
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◆目次◆
序 章 なぜ今、家訓なのか
第1章 「人目」が何よりも大事──生活の訓え
第2章 「誇り」を子孫へ伝える──家を守るための訓え
第3章 決断力がある人の「相談力」──対人関係の訓え
第4章 近江商人に学ぶ「三方よし」の精神──お金の訓え
第5章 「浮利」を追ってはいけない──仕事の訓え
第6章 最強の教科書とは何か──学びの訓え
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