【カリスマVCが考える、成功する起業家の条件】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062727730
本日の一冊は、日本合同ファイナンス株式会社(現・ジャフコ)を経て、日本初の投資事業有限責任組合「日本テクノロジーベンチャーパートナーズ」を設立、DeNAをはじめ6社を株式上場に導いた著者が(執筆当時)、成功する起業の条件を説いた一冊。
これまでに得たキャピタルゲインが300億円超ということで、まさに「目利き」として大成功を収めた著者が、一体経営のどこを見ているのか、具体的なポイントが示されています。
なかでも注目なのは、著者が「この人になら投資をしたい」と考える経営者の特徴。
さっそくかいつまんでご紹介しましょう。
・未来に対して真面目な人
・顧客を発見し価値を作れる人
・1週間で成長できる人
・粘り強く、あきらめない人
・ものごとを俯瞰できる人
・「互恵関係」を結べる人
・歴史の中にチャンスを見出せる人
・組織改革のタイミングを知る人
・48時間で切り替えられる人
いずれの項目にも詳細な説明が付いており、どれを読んでもためになります。
個人的に反応したのは、<未来に対して真面目な人>と<「互恵関係」を結べる人>でしょうか。
著者によると、<経営者は過去よりも未来に関心を持っていなくてはならず>、<「心身が持つ限り努力を続け、未来に向かって新しいインパクトのあるビジネスを作り上げよう」という、謙虚かつ力強い姿勢がある人>に、著者はお金を出したいと思っているそうです。
後者に関しては、<社長の仕事とは何を差し置いても「互恵関係の構築」にある>と、含蓄に富んだ言葉を記しています。
いわく「未成立の互恵関係」こそが、企業にとっての事業機会になる。
投資家としても、起業家としても、じつに得るところの多い、贅沢な一冊でした。
起業家なら、これを読まない手はありませんね。
———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–
◆資本政策3つの柱
1.株主構成
2.創業者自立性の確保
3.資金調達戦略
◆DeNA成功の要因
1.新しい大きな顧客マーケットの発見と、インパクトある商品サービス
2.新事業全体のインフラと周辺サービスを、自社で担ったスピード
3.世界レベルの企業を目指す、高い目標
4.高い結果をコミットする、明確でぶれないプリンシプル(信条)
5.超合理的判断でビジネスモデルを作り、現場が実行責任をまっとうした
6.若く少数精鋭で、最高のパフォーマンスを求めた
7.財務を健全化し、パートナーを大切にしてきた
<「この人になら投資をしたい」と考える経営者の特徴>
・未来に対して真面目な人
・顧客を発見し価値を作れる人
・1週間で成長できる人
・粘り強く、あきらめない人
・ものごとを俯瞰できる人
・「互恵関係」を結べる人
・歴史の中にチャンスを見出せる人
・組織改革のタイミングを知る人
・48時間で切り替えられる人
「心身が持つ限り努力を続け、未来に向かって新しいインパクトのあるビジネスを作り上げよう」という、謙虚かつ力強い姿勢がある人に、私はお金を出したい
経営失敗から学び、状況を再度認識し、数カ月から1年くらいかけてもう一度ゼロから商品と顧客を見つめ直し、まき直しをするくらいのエネルギーと情熱を持った人。これこそが私がお金を出したい人です
◆今後の有望なトレンド
1.環境・エネルギー関連
2.デジタルテレビのスマート化関連分野
3.バイオ、ライフサイエンス関連
4.ネットのトランザクションの爆発と、ビッグデータ、ITの進化領域
5.スマホ、SNS、決済、EC関連
6.衣食住のイノベーション関連
7.ハイテク
————————————————
『私は、こんな人になら、金を出す!』村口和孝・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062727730
————————————————-
◆目次◆
はじめに
第一章 DeNAの苦悩と栄光
第二章 私はこんな人になら金を出す!
第三章 起業家に立ちはだかる七つの壁
第四章 独立系ベンチャー・キャピタルのダイナミズム
第五章 私がベンチャー・キャピタリストになるまで
第六章 起業の現場を追体験する「創業物語」
第七章 ベンチャーを志す皆さんへ
あとがき
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
お知らせはまだありません。