【元祖お金持ち本、邱永漢氏による良書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480687157
本日の一冊は、直木賞作家であり、評論家、コンサルタントとしても活躍、お金に関する多数の著書を持つ邱永漢氏が、蓄財の方法と、株、不動産とどう付き合うかを述べた一冊。
理論ばかりの最近の書籍と違って、本当にお金儲けに成功した人ならではの「勘所」を学べる書籍で、発行以来9年のロングセラーになっているのも納得できます。
本書の素晴らしいところは、(1)貯金(2)株(3)不動産という、資産形成における王道のステップを、わかりやすく論じた点。
種銭を作るための心構えや、商売の勘所、株は成長に賭け、不動産は利回りを見るという、著者ならではの視点が示されており、じつに有用な一冊です。
個人的に気になった部分を、一部紹介しておきましょう。
<金ぐりに銀行の力を借りないですむほど資金に余裕ができれば、相互の姿勢は逆転します。しかし、それでも借入金にたよる場合の利息の支払いは経費として計上できるのに対して、自己資本に対する配当は所得税を支払わなければなりませんから、企業としてのコストはまるで違います。日本の企業がいつまでたっても借金経営から脱けきれないままバブルに突っ込んだのは日本の税法のせいです>
<失敗しているうちなら次々と職業を変えてもかまいませんが、大事業家になる人は一つの事業に成功したら、ほかの仕事はやめて、同じ仕事を次々と拡げて行きます。バカの一つ覚えというのは大事業家として成功した人にこそあてはまることなのです>
<付加価値はどこで生まれるかと言うと、人の欲しがる物をつくる過程で生まれます>
平易な言葉で述べてはいるものの、キャリアやビジネス、借金、資産運用の本質を深く突いた内容で、じつに読み応えがあります。
まだ読んでいない方は、ぜひ買って読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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お金持ちになりたかったら、百円玉どころか、一円玉が落ちているのを見ても黙って通りすぎてはいけません
お金のない人は収入のない人ではなくて、収入があってもすぐに使い果たしてしまう人のことです
「貧」という字を見てもわかるように、貝(お金のことです)を気前よくパッパと分けあたえると貧乏するのです
貯蓄十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両
物をつくって儲かるお金は物を売って儲かるお金よりも多いのが普通
金ぐりに銀行の力を借りないですむほど資金に余裕ができれば、相互の姿勢は逆転します。しかし、それでも借入金にたよる場合の利息の支払いは経費として計上できるのに対して、自己資本に対する配当は所得税を支払わなければなりませんから、企業としてのコストはまるで違います。日本の企業がいつまでたっても借金経営から脱けきれないままバブルに突っ込んだのは日本の税法のせいです
自分の選んだ仕事が今後、長期にわたって向かい風を受ける商売であることに気づいたら、なるべく早いうちに足を洗うに限ります
失敗しているうちなら次々と職業を変えてもかまいませんが、大事業家になる人は一つの事業に成功したら、ほかの仕事はやめて、同じ仕事を次々と拡げて行きます。バカの一つ覚えというのは大事業家として成功した人にこそあてはまることなのです
付加価値はどこで生まれるかと言うと、人の欲しがる物をつくる過程で生まれます
本当は職住近接を選ぶ人の方が時間を有効に使うので、人より早く職住近接のロケーションに住めるようになるのです。ですから多くの人がそのことに気づくようになったら、一ぺん郊外に拡散した人口は再び都心部に戻ってきます
ロケーションの希少性と通勤時間はお金である
不動産とは身動きができなくなる財産
私の場合、株式投資はお金儲けの手段であるよりは、自分の判断が正しかったかどうかを見る「産業界の覗き窓」であります
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『お金持ちになれる人』邱永漢・著 筑摩書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480687157
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◆目次◆
1.あなたにはお金持ちになる素質があるか?
2.日本はなぜお金持ちになれたのか
3.財産としての不動産を手に入れる
4.手に入れた財産をうまく活用するには
5.お金をふやすには株式投資から
6.お金儲けがうまい人の知恵
あとがき
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