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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502749
本日の一冊は、マーケティングのトップスクールとして知られる、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のブランド講座をまとめた、注目の一冊です。
その知名度とは裏腹に、2003年以前はブランド論の講座を設けていなかったという同スクールですが、ビジネス界の強い要請に応えて、エグゼクティブ・プログラム限定でブランド講座を設けました。
本書は、まさにその授業のエッセンスをまとめた一冊。
通常であれば、かなり高額な授業料を支払わなければ学べない内容ということで、本書も話題を呼ぶのは必至だと思います。
内容も、さすがにトップスクールの教授陣がまとめただけあって、じつに読み応えがあります。
ブランドのポジショニングから、デザイン、拡張、ネーミング、ポートフォリオ戦略、社内浸透まで、さまざまなトピックが網羅されていますが、なかでも、企業のブランド化の事例が充実しているのが、アメリカのテキストならではの魅力。
いくつかマーケティングの世界では有名な事例もありますが、B2Bの事例であまり知られていないものも盛り込まれており、興味深く読むことができます。
読者が経営者なら、さまざまなブランドの成功例・失敗例を読むことで、意思決定に役立つさまざまなヒントを得ることができるでしょう。
見た目は堅いですが、読みやすくておすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ドン・ペリニオンは世界最高のシャンペンなのか。ティファニーは、
世界最高のダイヤモンドを売っているのか。マッキンゼーは、戦略
的思考で他を圧しているのか。そうかもしれないし、違うのかもし
れない。しかし、多くの人はそう思っており、その知覚が最も大切
なのである
「高品質」が意味することは、ティファニーが言うのとウォルマー
トが言うのでは、まったく違うものとなる
あまりにも強固なイメージを確立していて、消費者の嗜好の変化や
市場環境の変化に応じたリポジショニングが難しい場合、既存のポ
ジションを生かしつつ、それを時代に合った新しい文脈で再定義す
る必要がある
ロングセラー・ブランドのリポジショニングは、大抵の場合失敗に終わる
マーケティング・コミュニケーションは、普遍的な民族風習の伝承
とそのモチーフ、詩の原型パターン、文化様式の深部と響き合う時
に、高い効果を発揮する
パイオニアや革新的な後発企業と比べると、革新的でない後発企業
のマーケティング投資への購買者の反応は鈍く、ロイヤルティも低い
ブランド拡張に対する消費者の評価は、拡張した製品が親ブランド
と適合していると感じられるかどうかに左右される
広告主協会や専門家は、何年もの間、その答えは「3回以上」だと
してきた。この常識は、近年では1回が最適であるという考え方に
変わりつつある。リーチがフリークエンシーよりも重要だというの
が、その理由だ。同じ人にもう1回到達するよりも、別の人に1回
到達したほうがいい
調査結果によれば、競合の値下げによって最も大きなシェアを奪わ
れるのは、強いブランドではなく、最も弱いブランドなのである
前線に立つ社員・スタッフによって、顧客のサービスに対する印象
はほとんど決まってしまう
ブランドとその名前には、パーソナリティを伝える役割がある
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『ケロッグ経営大学院ブランド実践講座』
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■目次■
プレ講座 ブランディングの課題
第1講座 ブランド・ポジショニング
第2講座 ブランドのデザイン
第3講座 ブランドの意味
第4講座 ブランド競争戦略
第5講座 ブランド拡張戦略
第6講座 ブランド・ポートフォリオ戦略
第7講座 広告によるブランド構築
第8講座 関係性ブランディングとCRM
第9講座 B2B市場のブランド戦略
第10講座 サービスのブランディング
第11講座 ハイテク市場のブランディング
第12講座 ブランド主導の組織づくり
第13講座 ブランド価値の測定
第14講座 メガブランドの構築
第15講座 フレーム・オブ・レファレンスの活用
第16講座 ブランドのネーミング
第17講座 グローバル・ブランドの構築
第18講座 ブランド構築と組織文化
第19講座 組織とブランディング
第20講座 UPSのインターナル・ブランディング
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