本日の一冊は、野口吉昭さんが代表を務めるコンサルティングファーム、HRインスティテュートによる定番シリーズの最新刊です。
シリーズものとはいえ、今回は「コミュニケーション」がトピックということもあり、売れているようです。
本書で扱っているコミュニケーションは、個人のものから、リーダー、チームまでさまざまです。全体としては、コミュニケーション力を「人間力」「論理力」「対話力」に分け、それをさらに「自分軸」「相手軸」に切り分けて、必要なスキルをまとめています。
注目したいのは、それぞれのスキルを鍛えるのに必要な、トレーニング方法が示されている点。これまで、極めて感覚的なものとされていた「人間力」についても細かく分解し、人間力を高めるための考え方やトレーニング方法が示されています。
チェックシートもついているので、自分のコミュニケーション力をチェックして、必要なスキルの部分を拾い読みするだけでも効果があると思います。
使い勝手がよく、コミュニケーションの要諦がうまくまとめられています。「伝える力」を鍛えたい人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆「守・破・離」によって人は成長する
・「守=信頼」~基本を備え、基本を遵守する
・「破=理解」~矛盾・壁を超え、異なる価値を認め合う
・「離=行動」~新たな価値創造へ向けて動き出す
人は人の話を聞いていない。だからこそ、まずは、コミュニケーションの基本でもある「関係性を認識する」「連携を図る」ことが不可欠
◆コミュニケーションに必要な3つの力
1.人間力:自己を確立し、相手の立場に立つ力
2.論理力:話を構造化し、相手にわかりやすく伝える力
3.対話力:しっかり相手の心を捉え、相手の納得を生む話をする力
「納得」のコミュニケーションをとるためには、相手の心を捉え、相手の心に訴える話をすることができるかが問われる
1.「人間力」に必要なスキル&コンピテンシー
自分軸:使命感、本質探求力、ポジティブ思考
相手軸:誠実な姿勢、幽体離脱、モチベート
2.「論理力」に必要なスキル&コンピテンシー
自分軸:フレームワーク思考、仮説検証力、プランニング力
相手軸:心聴力、問答力、創発力
3.「対話力」に必要なスキル&コンピテンシー
自分軸:情報収集力、ビジョン共有力、提案力
相手軸:わかりやすい表現力、メッセージ力、パワースピーチ力
そもそも信頼できる人は、人間としての「(視点の)高さ」と「(思考の)深さ」と「(行動の)明るさ」をもっている
人間は相手との関係性によって、侵されたくない自分との距離を持っている。その距離に立ち入れば不快感を与えることになるが、逆にあえて立ち入ることによって、相手の感情を自分優位にすることもできる
女性にとって、親しい異性から軽く触れられて心地いい場所が「頭」、そして男性の場合は「二の腕」
「会社が目指す方向はこうだ!」では弱い。「だから、わがチームは、私はこうする!」を発信する。リーダー自らが目的志向になる。そして、メンバーにも、常に目的志向であり、自らのミッション、役割を自覚させることである
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『コミュニケーションのノウハウ・ドゥハウ』
http://tinyurl.com/akqrl
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■目次■
はじめに
第1章 そもそもコミュニケーションとは何か?
第2章 コミュニケーションに必要な「三つの能力」
――人間力、論理力、対話力
第3章 「自分パワーアップ力&相手シナジー力」を鍛えて、
相手から信頼される
第4章 「ロジック力&聴く・訊く力」を磨いて相互に理解しあおう
第5章 「シナリオ力&伝える力」を向上させ、次なる行動を生み出す
第6章 「言霊」――言葉に宿るパワーを活用しよう
第7章 「身体を使う」――言葉にしなくても伝わるメッセージ
第8章 「チームアップ!」――チームを進化させるコミュニケーション
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