本日の一冊は、かつてP&Gでブランド・マネジメントの仕事に従事していたというマーケティング・コンサルタント、デビッド・テイラーによるブランド拡張の指南書です。
通常、強力なブランドを持っている企業は、それをさまざまな事業、製品、サービスに活用したいと考えるものですが、本書によると、それが成功するのは全体の約50%です。
では、残りの50%はなぜ失敗してしまうのか。そんなブランド拡張の注意点や着眼点について書かれたのが、この『ブランド・ストレッチ』です。
ヴァージングループやP&G、ブロックバスターなど、さまざまな企業の実例をもとに、非常に興味深い議論が展開されています。
具体的にどんな視点・教訓が示されているのか。さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆ブランド・ストレッチを行う際の、6つのステップ
1.コアの強化
2.ビジョン
3.アイデア
4.絞り込み
5.実現性
6.ブランド・アーキテクチャー
◆ヴァージンの自己中心ストレッチに見られる問題点
1.コアを大切にしない
2.有名になった理由を忘れる
3.消費者や市場を理解しない
4.散発的なストレッチ
5.実効がおざなりになる
◆ブランド拡張によるコア製品への影響
・製品変更をしてもトレードオフがなく、性能向上につながる場合は、コア製品に改良を加えたほうがよい
・製品変更によって、新たなベネフィットが加わるものの、従来のベネフィットの一部が損なわれてしまう場合は、ブランド拡張
・最も危険なのは、既存製品との差別化ができていない「クローン
・ブランド」を持ってしまうこと
※絶対に犯してはならない過ちは、コア製品の人材と資金を奪うこと
アイデア創出に役立つような基本ブランドのビジョンを開発するには、まず市場を近視眼的に捉えないことだ。市場を広めに定義したほうが、新しいブランド・ストレッチの機会が見えてくる。それに、市場の定義が狭すぎると、潜在的な強敵を見落とす危険がある
◆製品ライン拡張の機会が見つかる6つの視点
1.人――新規顧客
2.購入目的――新たなベネフィット
3.使用時期――新たな機会
4.場所――新たなチャネル
5.価格設定――プレミアムをつける
◆ブランド拡張のバリエーション
1.ランセンス供与
2.共同ブランディング
ブランド拡張が失敗する主な理由の一つは、ブランド・プロミスを実現できないこと
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通して読むと、ブランドとは、究極的には消費者と企業とのコミュニケーションの問題だということがよくわかります。思い込みを打破し、まっとうなコミュニケーションが取れるようになるための、きっかけとなる一冊です、。
というわけで、本日の一冊は、
『ブランド・ストレッチ』
http://tinyurl.com/68eep
です。ブランドを拡張したいと思っている企業の方、拡張したけれどうまくいっていない、という方はぜひ読んでみてください。
■目次■
序文 ブランド・ストレッチの成功に向けて
INTRODUCTION ブランド・ストレッチが失敗する理由
STEP1 コアを強化する
STEP2 ビジョンを構築する
STEP3 ブランド・ストレッチの機会を見つける
STEP4 アイデアを絞込む
STEP5 ブランド・ストレッチを実現させる
STEP6 ブランド・アーキテクチャーを持つ
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