http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302444
この本、アマゾンのカスタマーレビューを見てもわかるように、読んだ人には非常に評価が高いのですが、いかんせん表紙やタイトル、帯に迷いが感じられるため、中身の良さが伝わってきません。
でも実は、ものすごいセールスノウハウが詰まった本なのです。
著者の星野卓也氏は、日大芸術学部時代に映画構造理論を学び、卒業後は脚本家のアシスタントを3年務めて独立。ドラマ・ゲームのシナリオや、企業マニュアル、DM企画構成などを手掛け、最近では、某有名テレビショッピングの構成に携わり、ゴルフクラブの売上でなんと5億円を達成しているそうです。
その著者が提唱する「買ってもらう技法」とは、ズバリ「ストーリーで売る技術」のこと。
「人にモノを買わせることは、人を物語で感動させることに似ている」
という著者が、その極意「物語論法」を紹介しています。「物語論法」の構成要素は、この本の章立てと一緒で、
■ビジョンを植えつけるための五つの「ツカミ」
■商品理解を深めるための三つの「リサーチ」
■最後に背中を押すための三つの「センノー」
の3部構成です。このステップを着実に進めることで、購買まで結びつけることができる、というものです。
もっと具体的に見ていきましょう。
■ビジョンを植えつけるための五つの「ツカミ」
1.潜在客の意識改革
直接商品名を出さずに売りたいものを意識させる
2.俯瞰図を示す
売るべき商品の全容を一言で述べる
3.ブランドの確かさを伝える
商品の出所や歴史を伝える
4.冒頭に、物語の中でもっとも印象的なシーンを持ってくる
セールスであれば、キャッチフレーズ・キャッチコピーで訴求する
5.商品イメージを伝える
繰り返しながら、軽い洗脳と箸やすめの効果をねらう
■商品理解を深めるための三つの「リサーチ」
1.メカニズム調査
売る商品の「仕組み」を知る―商品を構成する「パーツ」を理解する
2.売る商品の「素材(パーツ)」を分析する
その素材構成を採用した「理由」をしっかりと頭に植えつける
番外編.欠点の発見
「欠点」をイリュージョンの世界に導く
3.具体的な数値を調べる
「数値」を伴ったシーンが最大の見せ場
■最後に背中を押すための三つの「センノー」
1.「お得感」をアピールする
「限定××個」「今ならさらに」「なんと!」など
2.結果の姿を提示してあげる
使用することによってお客はどう変わるのか、をイメージさせる
3.体感
実際にお試しできないのであれば、「使用感」を伝える
どうでしょう? 非常におもしろいですね。つまり、これがテレビショッピングの構成要素そのものだということです。応用できるかどうかはともかくとして、どのようなステップをふめばよいのか、は明確にわかりますね。
ちなみに本には、著者が実際に売った「低反発ウレタンフォーム枕」の構成表がついています。著者が実際にどうやって表現したかが書かれているので、具体的なイメージがつかめない、という方はぜひ読んでみてください。
というわけで、今日の1冊は
『30分で5億売った男の買ってもらう技法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302444
です。本当はもっと売れてもいい本です。誰かがこの本のよさに気付いてくれることを期待しています。
主な目次
序章 本題に入る前の五つの「マクラ」
第1章 ビジョンを植えつけるための五つの「ツカミ」
第2章 商品理解を深めるための三つの「リサーチ」
第3章 最後に背中を押すための三つの「センノー」
終章 そして、驚きのテクニックへ[応用問題]
巻末資料 「低反発ウレタンフォーム枕」構成表
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
→ eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
→http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━
この書評に関連度が高い書評
お知らせはまだありません。