【あえて読む。独裁者の自伝から思想犯の手記まで。】
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本日ご紹介する一冊は、ヒトラーの『わが闘争』から宮崎学氏の『突破者』まで、あえて悪書を読もうという、作家・元外務省主任分析官、佐藤優さんによる読書ガイド。
独裁者の自伝から思想犯の手記まで、「エグい20冊」のエッセンスを紹介したもので、なぜか『カルロス・ゴーン 経営を語る』や、堀江貴文氏の『ゼロ』、箕輪厚介氏の『死ぬこと以外かすり傷』も含まれています。
本書で紹介されている書籍の一覧
『わが闘争』アドルフ・ヒトラー
『レーニン主義の基礎』スターリン
『書物主義に反対する』毛沢東
『金正恩著作集』金正恩
『国体の本義』文部省数学局
『戦争論』クラウゼヴィッツ
『クーデターの技術』クルツィオ・マラパルテ
『プロパガンダ戦史』池田徳眞
『読書のしかた』黒田寛一
『パルタイ』倉橋由美子
『カルロス・ゴーン 経営を語る』カルロス・ゴーン/フィリップ・リエス
『トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ』ドナルド・J・トランプ/トニー・シュウォーツ
『告白』井口俊英
『ゼロ』堀江貴文
『死ぬこと以外かすり傷』箕輪厚介
『わが闘争・猥褻罪ー捜索逮捕歴31回』大坪利夫
『突破者ー戦後史の陰を駆け抜けた50年』宮崎学
『邪宗門』高橋和巳
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
『地球星人』村田沙耶香
成功者と犯罪者は紙一重とよく言われますが、本書を読むと、その理由がよくわかります。
革命には「狂気」がなければならず、またそれを実行に移すための「説得の技術」が必要だからです。
エッセンスだけの紹介ですが、それでも十分、彼らの狂気、説得技術の高さを伺える内容で、これはビジネスパーソンなら読んでおくべきでしょう。
佐藤優氏による解説も面白く、本が書かれた背景から内容のポイント、どう彼らが社会を動かし、人を操ろうとしたのか、そのトリックが書かれており、じつに興味深い。
また、処世術として読んでみても、なぜ彼らが一斉を風靡したのか、その後しくじったのか、よい勉強になります。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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『わが闘争』
見事なまでの論理的飛躍である。しかし一文ずつ改行してあるのでなんとなく勢いでごまかしている。現代でも扇動者に多く見られるデマゴギーの特徴だ
『レーニン主義の基礎』
実はスターリンが唯一の真理だと主張したレーニン主義とは、スターリン主義のことである。この本に書かれているレーニン主義とは、あくまでも「スターリンなりに解釈した理論や戦術」にすぎず、換骨奪胎されているのだ
『書物主義に反対する』
調査をしなければ、発言権はない(中略)きみがある問題について調査をしていなければ、その問題についてきみの発言権を停止する
『国体の本義』
『国体の本義』が禁書となったかわりに、戦後の日本はアメリカから三つの価値観を植え付けられた。「個人主義」、「合理主義」、「生命至上主義」だ。この三つの価値観はいま危機に瀕している(中略)いまの社会は「誰かがやらないと社会が維持できない」という献身的な態度によってなんとか維持できているわけだ。戦後的価値観は今後もますます浸透していくだろう。そのとき果たして社会が維持できるのかという深刻な問題が浮かび上がる。『国体の本義』を改めて読みながら、そんなことを思った
『プロパガンダ戦史』
まずプロパガンダとはなにか。池田氏はイギリスのキャンベル・ステュアート卿の『クルーハウスの秘密』(内外書房)という作品から言葉を借りる形でこう記している。宣伝とは、他人に影響をあたえるように物事を陳述することである
『ゼロ』
堀江氏は非常に聡明で、人間的にもチャーミングな男だ。しかし、彼は国家を怒らせることに対して恐ろしく鈍感だ
『わが闘争・猥褻罪ー捜索逮捕歴31回』
大坪氏の魅力は反権力者としてのすごみにある。この本を読んでいると大坪氏が国家権力に対してまったく恐れを抱いていない様子がよくわかる。それは彼が単に金儲けのために性産業に携わっていたわけではなく、使命感を持ってやっていたからだ
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成功者たちの光と影に触れ、怖気づくか、あえて狂気に従って戦うことを決めるか、人によって分かれる作品だと思います。
社会に対して、何らかの影響を与えたいと思う人なら、きっと心に響くものがあるはず。
ぜひ、読んでみてください。
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『危ない読書』佐藤優・著 SBクリエイティブ
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◆目次◆
第1章 独裁者の哲学
第2章 過激派の知略
第3章 成功者の本性
第4章 異端者の独白
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