2018年11月21日

『仕事はもっと楽しくできる』ONE JAPAN・著 vol.5161

【大企業若手たちの熱い挑戦】
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本日ご紹介する一冊は、大企業若手50社1200人の会社変革ドキュメンタリーを紹介した一冊。

パナソニックの濱松誠氏、富士ゼロックスの大川陽介氏、NTT東日本の山本将裕氏が共同発起人を務める大企業若手有志の会、「ONE JAPAN」のメンバーのエピソードがまとめられており、臨場感あふれる社内外とのやり取りが読ませてくれます。

最近は、ともすると若手の発案を老害マネジャーが潰した、みたいな話が多いですが、本書を読むと、大企業にもまだまだ希望が持てるということがよくわかります。

日本の場合、なんだかんだ言って優秀な人材は大企業内部にいることが多いので、どうしても大企業に重い腰を上げてもらうしかない。

そんな状況下で、このように若手の挑戦する姿が読めるというのは、じつに心強いことだと思います。

本書によると、今いる会社がつまらないと考えた人がとる道は3つ。「辞める」か「染まる」か「変える」か。

読者がサラリーマンで「変える」を選ぶのなら、本書は間違いなく「買い」の一冊です。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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今でも忘れられない出来事がある。被害状況を聞き取っていた時に、「お前らの通信が止まらなかったら、もっとたくさんの人の命が助かったんだぞ」と詰め寄られたことだった。
「その言葉はとても重いものでした。けれども同時に、僕らの会社の事業がそれだけ人々の生活に不可欠なインフラであることを再認識させてくれました。この会社での仕事は一生を賭けるに値する仕事だ。そうあらためて確信する機会にもなったんです」(NTT東日本 山本将裕氏)

「本業で何か企画すると『上司を通したのか?』と言われます。でも、『本業ではなくプライベートの有志活動なんです』と言えば、部門を超えて他部署の人に声をかけることも相談することもできる。スタンプラリーをすっ飛ばすことができるんです。僕は、有志活動ならではの強みを使い倒しました(NTT東日本 山本将裕氏)

山本にチャレンジのチャンスがやってきたのは、「O-Den」を立ち上げてから1年半後のことだった。ビジネス開発本部の副本部長が「若手に何かやらせてみたらどうだ」と発信したのだ

ONE JAPAN発起人の一人、富士ゼロックスの大川陽介は、「学ぶ」ことを選んだ。そして学んだ結果、経済原理に照らし合わせると「上司は決して悪くなかった」と気づいてしまう

大川にとって予想外だったのは、「若手の秘密結社」として始動した「わるだ組」に、続々と中堅・ベテラン層がジョインしてきたこと。「『お前たちはまだいい子ちゃんだよ。俺たちの方が、もっと悪かったぜ』と、ワル自慢するおじさんたちが現れたんです。その人たちが本当に最高に素敵な人たちで。人脈のない若手に人を紹介してくれたり、予算の取り方をアドバイスしてくれたり……」

「自分はこういうことをしたい」と一人ひとりが発言したところから、空気がガラッと変わった。メンバーの興味関心が共有できると、「心理的安全性」が確保され、なんでも話し合える仲間になったのだ(日本取引所グループ 須藤奈応氏のケース)

画期的だったのは、社外からパナソニックの卒業生(アルムナイ)を呼んで、トークイベントと交流会を開催したことだ。終身雇用が常識で、「一度会社を辞めた者は、他人である」と考える大企業が多い日本では、ある意味タブーのひとつとされていたことだった。
(中略)
「これからの時代は間違いなく、『終身雇用』から『終身信頼』の時代に変わっていく」と濱松は言う。その時に、苦楽を共にし事業を進めた元社員との関係性を良好に保っていくことは、必ずや会社の資産になると濱松は考えている

角岡らが開催するハッカソンでは、多数の会社が同時に、各社の強みである技術と、新技術を出すことにこだわった。しかも、参加者がパソコンでアプリケーションを実装できるくらい具体的な情報を出せるよう協力を依頼した

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どの事例も、働く若手に希望と元気を与える内容で、じつにいい。

あえて辛いことを書くと、どう生活者、消費者の役に立ったかなど、もっとこの活動が外でどんな成果を生んでいるのかが見えた方が良かったと思います。

とはいえ、これだけ閉塞感のある日本で、ここまで元気に活動している若手がいるんだと思うだけで、希望が持てます。

働くことに前向きになれる一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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『仕事はもっと楽しくできる』ONE JAPAN・著 プレジデント社

<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆

はじめに 一歩踏み出せば会社はもっと楽しくなる
ONE JAPAN 共同発起人・代表 パナソニック 濱松誠
第1章 社内でつながる
第2章 会社を巻き込む
第3章 イノベーションを起こす
第4章 社外でつながる <One JAPAN結成>
第5章 共有し、共創する
実例集 大企業若手 50社1200人は会社でどう動いたか

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