【スーパーホテル、驚異の経営】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009643
最近、土井が「事例の法則」と呼んでいる現象があります。
それは、「ビジネスマンが本気で成果を出そうと思った時、読書は自ずと事例に向かう」という法則です。
本気で成果を出そうと思えば、調べます。あるいは他社の事例を参考にしようとする。だからこそ、事例が読まれるのです。
来年は、閉塞感に嫌気がさした日本人が立ちあがる年だと信じていますが、そのために「ビジネスブックマラソン」も、なるべく多くの事例を紹介していこうと思います。
ということで本日ご紹介するのは、現在もっとも元気のいいホテル、日本版CSI(顧客満足度指数/サービス産業生産性協議会)ランキングでビジネスホテル部門1位、全体順位でも帝国ホテルを上回ったという「スーパーホテル」の分析本です。
著者は、ビジネスジャーナリストとして数多くの著書を持つ峰如之介氏。
本書では、スーパーホテル創業者の横顔と、ナンバーワンに輝いたサービスの秘密、戦略について詳しく書いています。
読んでみて思ったことは、やはり戦略においては、絞り込むことが大切、ということ。
かつてのファミコンのように、絞り込むことでコストダウンと顧客満足度のアップ、両方が実現できるのです。
ラグジュアリーホテルのような華やかさはありませんが、ビジネスとは本来、顧客の需要に応えるもの。
そういう意味で、スーパーホテルの成功から学べることは多いと思います。
ぜひ読んでみてください!
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スーパーホテルの創業者である会長の山本梁介は、「目指しているのは1円あたりの顧客満足日本一」だという
「1泊4980円」という金額は、当初、一般的な企業で設定されている1泊1万円程度の出張宿泊費から逆算して設定された
全部で1万を超える客室の稼働率は平均89%、リピート率は70%以上
日本版CSI(顧客満足度指数/サービス産業生産性協議会)ランキングでビジネスホテル部門1位、全体順位でも帝国ホテルを上回った
1つめのこだわりは「ぐっすり眠れる」こと。ビジネスホテルを利用する主要ターゲットであるビジネスマンは、夜22時前後という遅い時間にチェックインすることが多く、チェックアウトも翌朝午前8時頃と早い(中略)枕にいたっては実に7種類(中略)快眠の妨げとなる騒音に対しては、独自の防音基準を設け、外壁や隔壁を防音設計、室内設置の冷蔵庫も静音タイプを揃えた
部屋に電話はなく、課金式冷蔵庫もないため、チェックアウト手続きも不要になるというわけだ。実はホテル経営で最もコストがかかるのは人件費である。スーパーホテルのチェックインシステムは機械を使って経営を合理化しただけでなく、「ノーキー・ノーチェックアウト」を実現することによって、混雑するフロント業務で待たされることなく、1秒でも早く部屋に入って休みたい、早くチェックアウトを済ませたいという宿泊客のニーズを実現するシステム
連泊の際、掃除は不要と申し出た宿泊客にはオリジナルのミネラルウォーターを、箸や歯ブラシを持参していてホテル設置のものを利
用しない方には地元のお菓子をプレゼント
「ウソを言うな、相手をみて言い分を変えるな」(創業者山本氏の父の言葉)
「信じてくれる人たちがいるというのは、経営者にとって勇気を与えてくれます。有り難かった。この感謝がパワーになったのです」
◆低価格でも高品質のサービスを可能にする戦略
・顧客をビジネスリピーターに絞る
・宿泊に特化する(バジェットホテル)
・店舗のコンセプトは「安全・清潔・ぐっすり眠れる」
スーパーホテルが高い稼働率を誇るのは、最後の1室まで売り切ることができる予約システムの存在も大きい
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『稼働率89%リピート率70%顧客がキャンセル待ちするホテルで行われていること』峰如之介・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009643
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◆目次◆
はじめに 「1円あたりの顧客満足日本一を目指して」
第1章 「ぐっすり眠れなければ、宿泊費をお返しします」
─稼働率89%、リピート率70%が続くホテル
第2章 「時代は必ずやってくる」
─スーパーホテルが生まれるまで
第3章 「満足以上の感動を目指して」
─「自律型感動人間」をつくるには
第4章 「人にしかできない仕事を助けるために」
─サービスの質を上げるIT戦略
第5章 「エコに協力できて、嬉しい」
─ロハス時代のホテルサービスとは
おわりに 「時代を読み、時代をつくるということ」
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