【心地よい暮らしを考える】
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正月休み最後の一冊は、これからのライフスタイルを考えるための本をご紹介します。
『北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』は、『おいしい北欧』で高い評価を受けた著者、シグナ・ヨハンセンによる、注目のライフスタイル本。
ケンブリッジ大学で考古学と人類学を学んだ後、ロンドンのリーズ・スクール・オブ・フード・アンド・ワインで料理とワインを学び、ノルウェー、イギリス、アメリカで暮らしたという著者が、豊かな北欧の暮らしのエッセンスを解説しています。
自然を敬うこと、情報や人の目を気にしないこと、ベーシックなものに立ち返ること、家族や友だちと集う時間を大切にすること…。
本書では、そのためにどんな暮らしを心掛けるか、どんな食生活にするか、どんなインテリアにするか、どう休暇を楽しむか、などがきれいな写真入りで紹介されています。
スウェーデンの多くの企業で採用されているという「フィーカ(Fika)」(ペイストリーやケーキ、サンドイッチをつまみながらコーヒーを飲むこと)は、働き方や団結が問われている今日、企業として採用
してみてもいいかもしれません。
さっそく、気になるポイントをチェックしてみましょう。
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ヒュッゲとは、デンマークとノルウェーの「居心地のよい雰囲気」というニュアンスを伝える言葉。「仲間との絆」や「思いやり」も意味します。気づきが自分の内面に目を向けることなら、ヒュッゲは自分の外面、人とのつながりやまわりのものに目を向けること。自分の人生や人とのふれあいにおける、ささやかなできごとによろこびを見いだすことです
情報にまどわされたり、ほかの人の目を気にしたりしないように、いかなることでも、自分らしさを失ってしまうような誘惑にはきっぱりノーといいましょう。きっと気が楽になるはずです
北欧の人々は自然に身をまかせ、自然の歩みに従うのみ。自然に畏怖の念を抱き、敬意をはらい、ふれあうことを忘れません。悪天候でも自然のなかにでかけるのはそんな理由からです
ヒュッゲの基盤は、シンプルさ。北欧の人々は、なにごとにおいても余分なものをそぎ落とし、すべてをベーシックなものに立ち返らせたいと考えています
北欧の国々では法律で自然のなかを歩きまわる自由が認められています
オスロには身近に水晶のようなフィヨルドや美しいスキーコースがあり、北部には広大な森林地帯が広がっているため、簡単にひと息つけた
2015年、スタンフォード大学の研究調査チームは「自然とふれあうことで、脳の前頭葉前部皮質の働きが弱まり、反復思考が少なくなる」という論文を発表し、自然の豊かな環境でウォーキングをするとネガティブな思考が減ると述べました
自足の精神のもとに満たされる生き方をすれば、真の豊かさを実感できるはずです
自分でなにかを生みだし、自立して生きられるようなスキルを習得すると、よろこびや満足感を得られます。そんなスキルの一番身近なものが料理でしょう
スウェーデンの多くの企業では、社員が毎日集まってフィーカをたのしみます。ウプサラ大学の社会学者はこうした時間を「集団的な回復」と呼び、ビジネスにも社会的な絆にも大きな恩恵をもたらすと評価しました。フィーカにはリセット機能があるのです
北欧の美とは、なにかをつけ加えたり削ったりしても、北欧らしさを失わないスタイルのこと
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本書の良い所は、「ヒュッゲ」な暮らしを実践するための具体的情報、デザイナー/グッズのガイドがきちんと載っていること。
家具に関するところも、できれば写真かイラストが欲しかったですが、「ヒュッゲ」の入門書としては、これで十分でしょう。
今年一年の暮らし方を考える上で、また仕事疲れを癒やすための方法論として、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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『北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』
シグナ・ヨハンセン・著 日本文芸社
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◆目次◆
ヒュッゲの世界へようこそ
第1章 大自然にいだかれて
第2章 アウトドアのたのしみ
第3章 自立した暮らし
第4章 フィーカのひととき
第5章 北欧のキッチンから
第6章 住まいとデザイン
ヒュッゲな暮らしをはじめましょう
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