【「技術」に強いビジネスパーソンになる】
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2012年末から2017年まで、約5年間不動産とクルマを所有してわかったことがあります。
それは、「モノを持つ人には特有の悩みがある」ということです。なかでも、メンテナンスに伴う問題は深刻です。
不動産を持てば、屋根や窓ガラスの清掃、室内美化、水回りの整備、クルマを持てば、洗車、給油、消耗品の交換…。いずれもお金と手間がかかります。
雨が降って、ビルの屋根やクルマが汚れる度に、「永遠に汚れが付着しない屋根があればなあ」とか、「クルマに自浄機能があればいいのに」とか思うようになりました(笑)。
もし、これらの悩みを技術が解決してくれれば、そこには膨大な需要がある。
そこでご紹介したいのが、本日ご紹介する『第一人者が明かす光触媒のすべて』です。
光触媒とは、光を照射することにより触媒作用を示す物質の総称で、大きく6つの効果を持ちます。
◆光触媒の「6大機能」
1.抗菌・抗ウイルス
2.防汚
3.防曇
4.脱臭
5.大気浄化
6.水浄化
現在はタイルや病院向けの大型セラミックパネル、テント、トイレなど、さまざまなところで使われています。
既に、新幹線の空気清浄機、空港のテント、丸ビルのタイル、パナホームの一戸建てなどにも活用されているそうです。
絵空事だと思っていた「セルフクリーニング効果」のある光触媒も開発されているらしく、そのうちビルの清掃業はなくなってしまうかもしれません。
この光触媒には、さまざまな企業が絡んでおり、なかには今後の企業の業績をうらなう画期的新商品もあるようです。
一見、サイエンス書のようですが、きっちりビジネス書仕立てになっており、また企業名、商品名がバッチリ出ているので、投資の参考にも向いています。
さっそく、気になるポイントを見て行きましょう。
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光触媒を用いることで種子の発芽率が向上する(中略)薬草など一部の作物では、発芽率の低さが問題となっていますので、光触媒によって発芽率を向上させることができれば、農作物栽培の効率化や低コスト化につながる
シラスを用いた外壁材が作られています。多孔質構造で壁面に通気性、調湿性を与え、結露や湿気を防ぎます。優れた断熱性能から冷暖房効率をアップさせるエコ建材でもあります。このシラスと光触媒コーティングを組み合わせた建材が株式会社高千穂によって作られ始めています
◆三菱ケミカルのアルポリック
芯材に樹脂を使用した3層構造のアルミニウム樹脂複合板で、現在では世界各国で使用されるようになってきています。高耐久性フッ素樹脂ルミフロン塗膜の上に、光触媒コーティングを施しセルフクリーニング効果を持たせることで、アルミ建材の持つ平滑で色ムラのない美観を長期間維持し、清掃コストを低減することができます
製品としては、日本板硝子の「ウイルスクリーン」が世界初の抗菌・抗ウイルスガラスとして発売されています
光触媒を用いて路面上の空気をキレイにする「フォトロード工法」
新千歳空港では、旅行者が荷物を載せて空港内を移動する際のカートのハンドル部分に光触媒フィルムを巻いて、その表面に付着する細菌数の変化を調べたところ、細菌数が多くなる夏場には、特に著しい低減効果が見られました
光触媒フィルターの場合、フィルターの表面についた細菌やウイルスは光が当たることによって不活性化されますので、、空気中に再び放出されて2次感染を起こす心配はありません。ここが光触媒式空気清浄機の一番のポイントです
海水処理に光触媒処理を付加すると、抗菌機能の箇所で触れたように、細菌の細胞膜を破壊し、死骸までも分解除去しますので、菌が生き返る「光回復現象」は起こらず、より安全でキレイな海水を製造することができます
光媒体タイルは、内装用の「抗菌タイル」、外装用の「セルフクリーニングタイル」として応用範囲を広げています。また、防藻効果が認められたことから、噴水、人工池、人口水路などの「防藻タイル」としても実用化が進んでいますし、カビ問題への対策としても利用されています
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先日ご紹介した『あの同族企業はなぜすごい』に、<営業、管理、技術、経理では、技術と経理の得意な経営者のパフォーマンスが良い>という分析が載っていましたが、技術に強いビジネスパーソンになるために、本書はピッタリの入門書です。
※参考:『あの同族企業はなぜすごい』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532263581/
難しい専門知識がなくても、新技術がどうビジネスを変えるかが見える、これからの時代のビジネス書の見本とも言える一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
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『第一人者が明かす光触媒のすべて』
藤嶋昭・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1章 なぜ、光触媒は広がり続けているのか?
第2章 いま、住宅や高層ビルにも光触媒が大人気の理由
第3章 空港や新幹線にはどう普及しているのか?
第4章 光触媒の「6大機能」と日常に広がる製品群
第5章 「人工光合成」の最新常識
第6章 反応機構と光のはなし
第7章 光触媒系の作り方
第8章 光触媒技術の標準化、製品の認証制度
巻末資料 光触媒性能評価と光触媒ミュージアム
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