【ふるさと納税ブームを創った女性】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822238237
金森重樹さんの『100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』が発売されて以来、すっかりブームとなった「ふるさと納税」。
※参考:『100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594072844
行政がかかわる事業が、こんなにブームになるなんて、と疑問に思っていましたが、やはりこれには仕掛け人がいたようです。
本日ご紹介する一冊『1000億円のブームを生んだ考えぬく力』は、ふるさと納税No.1サイト「ふるさとチョイス」の創設者、トラストバンク代表取締役・須永珠代さんによる一冊です。
本書によると、この「ふるさとチョイス」には、全国1788のすべての自治体のふるさと納税の「使い道」や「お礼の品」が掲載されているそうで、2015年には、同サイトを通して寄付された「ふるさと納税」の金額は1250億円(推測)にのぼったそうです。ちなみに、経済効果はおよそ1500億円。
本書には、この偉大な事業を成し遂げた女性社長、須永珠代さんのこれまでの軌跡と、仕事哲学が書かれています。
戦略思考と情熱が共存している方のようで、事業のヒントとして、またカンフル剤として大いに役立ちました。
さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
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「ふるさと納税なんて広まらない」「マネタイズができない」──。
そんなふうに思われていた事業でしたが、私はやってみようと思いました。世の中には、「考えぬいている人」はほんの一握りしかいないと思っていたからです
「儲かりそうなこと」からサービスを考えていると、できることの枠が決まってしまいます。収益ありきで考えると、どんどんアイデアも狭まってくる。「儲からなそうだけど、ニーズがあるもの」のほうが、事業のコンセプトとしては強くなります。儲からなそうな事業にはライバルも少ないので、トップバッターとして市場を切り開きやすいというメリットもあります
私が最優先にしていることは、「世の中に本当に必要な、意味のある事業か」、そして「自分が解決したい課題か」
考えぬかれた提案や企画は“これをやる価値がある”と、他人を説得できるだけの言葉とパワーを持っています
「競合がいないのはなぜか?」を検証する
「メディアが飛びつくネタ」×「高額所得者」の掛け合わせで、ひとりブレストを重ねた結果、思いついたのが「ふるさと納税」の100万円プランです(中略)玄海町が考えたのは、頒布会方式で毎月3万円相当の鯛やお肉、野菜や、地域の食材で作った加工品のセットを12回にわたって届けるというプランでした
今、平戸の街に活力が戻りつつあるといいます。それまで人口がじわじわと減少し、市内には「なんとなく閉塞感が漂っていた」とも。しかし、「ふるさと納税」で全国1位になったことで、「全国の人を相手にしている」という意識が事業者や生産者の間に芽生え、新商品の開発が活発化するなど、意欲が高まっています
思いついたのが、「松茸山の入山権」をお礼の品にすることでした。設定した寄付額は50万円です
モノ、コト、ストーリー。地域の素材を掘り起こせば、宝になるものがたくさんあるはず
今でも耳に残っている社長の言葉があります。「いいか。世の中には2種類の人間がいる。ほとんどの人間は、目の粗い“ザル”なんだ。どれだけたくさん砂を入れても、網目から全部こぼしてしまう。つまり、何を教えても結局身に付かないし、成長もしない人間だ。でも、なかには少しだけザルの網目が細かくて、砂を少しずつためられるヤツがいる。おまえがどっちの人間なのか、俺にはわからないけどな」
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<「思いつき」では強い事業は生まれない>
<マネタイズから考えない>
<「儲かる」よりも「社会に必要なこと」を考える>
<どん底でも優先順位を間違わない>
など、起業家にとって大事なメッセージが散りばめられていました。
著者の起業家精神に触れたい方には、ぜひ一読をおすすめします。
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『1000億円のブームを生んだ考えぬく力』須永珠代・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320712
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◆目次◆
第1章 「思いつき」では強い事業は生まれない
第2章 人が集まるところにお金が生まれる
第3章 「熱い人」には直接会いに行く
第4章 「自分の立場」をわきまえない
第5章 どん底が今の私をつくった
おわりに
付録 ふるさと納税で税収をのばした自治体ファイル
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