【脱サラ農業で年商10億円の秘訣とは?】
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これまでにも何冊か農業本を紹介してきましたが、本日ご紹介する一冊は、脱サラから9年で年商10億を達成、テレビ東京「カンブリア宮殿」にも出演した著者が、自らの経営哲学を明かした一冊。
著者いわく、「一般のビジネスにとっては常識であるはずのことが、農業では常識ではない」。
だとすれば、農業には、大きなビジネスチャンスがあることになります。
著者が実行したのは、契約栽培をメインとした農業ビジネス。
これまで、農産物をJAに託し、卸売市場を通して売るのが当たり前だった農業ビジネスに、まったく新しいやり方を持ち込んだわけです。
もちろん、これには納品できるかどうかわからないという大きなリスクがありますが、著者の会社、トップリバーでは、自社生産分に加え、協力農家からの仕入れ分、それでもまかなえないときは、産地市場から不足分を調達しています。
何が何でも約束した数量を守る、という姿勢が共感を呼び、得意先を増やしているのです。
また、外食産業で喜ばれる大玉レタスを作ったり、他に先駆けてエコレタスを作ったり、徹底した顧客目線で生産しているその姿勢にも、感銘を受けます。
どんなビジネスでも儲けるための王道は同じ。
著者は、おそらくそれを貫いたからこそ成功できたのでしょう。
これから農業ビジネスに参入する方、あるいは起業を考えている方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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二〇〇九年五月に可決された改正(「平成の農政改革」と呼ばれている)では、一般企業やJA(農協)、NPO法人などの農地所有も認められるようになった
私たちトップリバーは、基本的には卸売市場を通す取引をほとんど行っていない。トップリバーが行っているのは、野菜加工業者やスーパー、レストランなどに直接卸す契約栽培である。取引企業と契約した出荷量を生産し、確実に卸す。取引価格は事前に交渉を行うので、市場の相場に左右されることなく、安定した収益を見込むことができる
◆トップリバーの特徴
1.市場出荷ではなく契約栽培がメイン
2.農地はすべてレンタル
3.生産部門の他に営業部門を持つ
4.ど素人を集めた農業生産法人
5.社員の独立を支援
収穫量は天候次第。採ってみなければ、どれくらいの収穫量になるかはわからないと考えているのが既存の農家だ。しかし、ど素人はそんなことを思ってもいない。私が立てた生産計画を忠実に守ろうとし、そのためにはどうすればいいかを必死に考えて行動に移した。収穫量は天候次第だなんて思いもしないから、計画を達成しようとがんばる。それが好結果に結びついた要因のひとつだと思う
外食産業などに野菜を納入するベンダーでは、スーパーで売っているような小玉のレタスやキャベツではなく、大玉が喜ばれる。野菜をカットするときには、どうしても使えない部分(芯や外葉など)が出てしまうが、大玉のほうが小玉より断然歩留まり(原料に対する製品の比率)がよく得だからである。そのため、私たちは業務加工用に向く大玉の生産に力を入れている
現在は自社生産分と協力農家からの仕入れ分でまかなえないときは、産地市場から不足分を調達している。たとえ、野菜の価格が高騰していて、契約した価格の三倍だったとしても、損を覚悟で市場から買い付け、取引先に納品する
エコレタスへの転換は生協への対応を目的としたものだが、これは思わぬ幸運をもたらした。トップリバーのレタスが一〇〇パーセントエコレタスであると聞いて、生協だけでなく、これまでつきあいのなかった業者も注文してくるようになったのである
安売りはたしかに聞こえはいい。しかし、その裏で損失分が立場の弱い者につけ回され、ひずみが生じているのである。そのひずみは、結局のところ、最終ユーザー、つまり消費者に返っていく
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『儲かる農業「ど素人集団」の農業革命』竹書房 嶋崎秀樹・著
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◆目次◆
プロローグ 農業は儲かる!
第1章 「ど素人集団」農業に挑む
─菓子メーカー営業マンとIターンの若者が始めた農業維新への挑戦
第2章 「一〇〇点+二〇〇点」儲かる農業の仕組み
─農業に革命をもたらす「新・平成の農業」の全貌
第3章 間違いだらけの現代農業
─なぜ農業は「儲からない」産業になってしまったのか
第4章 儲かる農家を育成する「水戸黄門システム」
─人材育成はトップリバーのもうひとつの使命
第5章 若者よ、農業をめざせ!
─農業を成長産業にするための新しい取り組み
エピローグ けれど、農業はそんなに甘くない
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