【米Google、No.1デザイナーのキャリア指南】
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10代は学ぶ時、20代は力を蓄える時、30代は力を発揮する時。

個人的にはそう捉えています。

本日ご紹介する一冊は、この大事な30代をどう過ごすべきか、どうキャリアを作っていくべきか、米GoogleのNo.1デザイナーが述べた一冊です。

著者のキム・ウンジュさんは、25年間で10回の転職経験を持ち、47歳で米シリコンバレーのGoogle本社に入社。

現在、同社で600名を超える部署のデザインチームで「今年のデザイナー賞」に選ばれ、首席UXデザイナーを務める人物です。

本書では、優秀な人間の中にあって自信を持てない人が、どうすればそこから抜け出せるのか、挑戦したくても行動できない人がどうすれば行動できるようになるのか、著者からのアドバイスが書かれています。

また、30代、40代になって新たなジャンルに挑戦したい人に、どうキャリアを作ってアピールするか、どう勉強すれば身につくのか、自身の転職と英語学習を例に、具体的なメソッドを提案しています。

自身、「英語の話になると、つい文章が長くなってしまう」と述べているように、英語学習のメソッドはかなり有用で、早速試してみたいアイデアがいくつもありました。

今後のキャリアのために英語を学ぼうとする人は、必読の内容だと思います。

また、書類や面接でどう自分をアピールすると効果的か、具体的なアイデアが示されており、勉強になりました。

Googleに転職したい方はもちろん、転職でキャリアを作り方は、ぜひ読んでおくといいでしょう。

タイトルは30代向けになっていますが、20代後半、30代、40代半ばあたりで、転機にさしかかっている人が読めば、励みになる一冊だと思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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私たちは自分で思っている以上に準備が整っている

本当に必要なのは完璧な準備ではなく、迷っている自分の背中を押してくれる友達と、アクションを起こす勇気だ

甲殻類が成長するためには、古い殻を脱ぎ捨てて、やわらかな素肌をさらして過ごす時間が欠かせない

夢とは、特定の職業や企業で働くことだけではなく、「どんな価値を築きたいか」に対する答えのことを言う

「どの学校でもいいので、まずは出願してみてください。行くか行かないか悩むのは合格してから。今、みなさんにはその選択権がありません。今あるオプションは、願書を出すこと、そして結果を待つことだけです」

スペックだけで競争しようとすると、自分より優秀な人はいくらでも存在する。また、スキルやツール活用能力を自分の強みにすると、どれだけ優れていたとしても、もっと優れた誰かがすぐに現れる。そうなると、いつまでもスキルを追うだけで精一杯になってしまう。企業は問題解決者を探している

UXデザイナーにはどんな勘が必要なのか？　それはズバリ、感情の勘である。UXデザイナーは人の感情を取り扱う職業だ。消費者が何を感じているのか、どんな製品が、どんな文面が、どんな色がどのようなフィーリングをもたらすのかを知っていることが、デザインの成功を左右する

ザラで働いているのに「私たちはどうしてシャネルみたいな高級品を作れないんだろう」と悩んでいるとしたら、会社ではなく、自分がどんな会社に勤めているのかを把握できていない社員のほうに問題がある

自分が経験した風邪と、他人の風邪は同じものではない

金鉱は、人のいないところで発見されるもの。こうした新しい分野のメリットは、失敗が財産になるという点だ

企業が求める性格やチームワーク、リーダーシップといった形のないスキルは、履歴書やポートフォリオでは見せることができない。面接までたどりつけば小綺麗な服装や穏やかな口調で好印象を持ってもらえるようアピールできるが、書類選考ではそうはいかない。
何とかこれをカバーできないかと考えた末、知人による推薦コメントと評価の要約を追加するという方法を思いついた

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じつは本書を選ぶ前、韓国のエッセイを紹介するかどうか悩んでいたのですが、もっとビジネス的に中身のあるものがいい、と思い本書を選択しました。

そうしたら、なんと著者が韓国の方で、最初は思いっきり韓国エッセイ風（笑）。

正直、CHAPTER2までは、自己啓発的な内容ばかりで（なんと122ページ！）、肩透かしを食らった印象でしたが、CHAPTER3からは俄然面白くなりました。

特に充実しているのは、どうプロとして直観を働かせるのか、妥協を迫られた時にどう納得できる仕事をするか、という著者の専門分野に関する部分。

そして意外なことに、英語学習と転職に関する部分です。

特に英語学習は内容が具体的で、いくつか試してみたくなりました。

複数の要素が盛り込まれているため、コンセプトが伝わりにくい本ですが、30代、40代が読んでキャリアの参考になる本だと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『悩みの多い30歳へ。』キム・ウンジュ著　藤田麗子・訳　ＣＣＣメディアハウス

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◆目次◆

CHAPTER1　自分だけが後れている気がして不安なとき
CHAPTER2　計画ばかり立てて実行できないなら
CHAPTER3　もっと上手くやりたいのに能力が足りないと感じるとき
CHAPTER4　後悔のない人生を目指す30歳に伝えたい言葉
CHAPTER5　英語を諦めた私を救ってくれた勉強法
CHAPTER6　５年後の自分はどうなっているのだろう？