【「制作過程」を売る経済】
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本日ご紹介する一冊は、フューチャリスト、ベストセラー作家の尾原和啓さんが、プロセスを売る、新しいマーケティングの法則を説いた注目の新刊。
完成品ではなく、「制作過程(プロセス)」を売ることでビジネスをするという、新たな潮流を捉えたもので、いくつか事例も紹介されています。
簡単に模倣され、かつ競争が激しい時代には、コピーできない「プロセス」を売るマーケティングが有効。
コンセプトの始まりは、実業家のけんすうさんが書いた、noteの記事らしいですが、そのnoteではこう書かれています。
<プロセスに価値があるなら、究極、プロセス自体でもう課金しちゃうほうがいいんじゃない? という動きも出始めています。たとえばマンガ家さんなら、マンガを売るというより、「マンガを描いている姿をライブ配信して、そこで投げ銭をもらう」みたいなイメージです>
プロセスを共有すると、その段階で課金できたり、初期のファンを作ったり、熱のあるコミュニティを形成できる。
本書には、そのために必要なことや、プロセスエコノミーの実践方法、実例集などが記載されています。
もちろん良いことばかりではなく、プロセスエコノミーが包含する危険性についても指摘されており、興味深い論考だと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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プロセスに価値を乗せるには、作り手がそこにストーリーを込めたり、なぜやるか(Why)という哲学を示すことが大切です。さらに作り手一人では限界があるので、ユーザーをファンにし、セカンドクリエイターとして巻き込み、熱量を上げていく必要があります
本来の価値とは関係のない宣伝活動や、売れても売れても正当に稼げなくなる値下げ合戦。そういったものに巻き込まれないために、プロセスを通して本質的なファンを作るべき
ゴールから逆算してステップアップしていく生き方ではなく、日々歩いていること自体に喜びを感じ、瞬間瞬間のひらめきに従って柔軟に対応していく生き方。変化の早い時代にはこちらのほうが合っているかもしれません
乾けない世代が重要視する幸せの3要素「良好な人間関係」「意味合い」「没頭」
「意味がある」を目指す場合、そのプロセスを消費者と共有し、その「意味」を伝えていくプロセスエコノミーが、重要な役割を果たす
もともと「religion」(宗教)という英語は、ラテン語の「religio」(再びつながる)が語源です。神の物語から引き剥がされて生きている人間が、宗教を信じることによって、もう一度「大きな物語」とつながっていける
自分の内側で感じているmeans(意味合い)をまずは大切にして、そこから何かを始めてみる
情報をフルオープンにして旗を立てる
プロセスエコノミーを実践するうえで最も大切なのは、あなたの中にある「Why」(なぜやるのか・哲学・こだわり)をさらけ出すこと
プロセスで稼げてしまうと本来の「Why(なぜやるのか・こだわり・哲学)」を逆に見失ってしまうというケースがあります
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「経済論」というレベルにまでは至らず、また事例も既出のものが多い印象ですが、ビジネスの新潮流を知る、という意味では面白い一冊だと思います。
個人的には、このプロセスエコノミー的な発想や価値観が個人や社会にもたらす変化に興味を持ちました。
ぜひ、チェックしてみてください。
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『プロセスエコノミー』尾原和啓・著 幻冬舎
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◆目次◆
第1章 なぜプロセスに価値が出るのか
第2章 人がプロセスに共感するメカニズム
第3章 プロセスエコノミーをいかに実装するか
第4章 プロセスエコノミーの実践方法
第5章 プロセスエコノミーの実例集
第6章 プロセスエコノミーの弊害
第7章 プロセスエコノミーは私たちをどう変えるか
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