【感動の名著。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296000322
まさか、ジム・コリンズの本で泣く日が
来るとは思いませんでした。
本日ご紹介する一冊は、経営論の名著として、世界で1000万部を突破した『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの著者、ジム・コリンズと、彼の師であるビル・ラジアーの共著であり、未邦訳だった『Beyond Entrepreneurship』を、『ビジョナリー・カンパニー』シリーズとして編み直した一冊。
約半分を新たに書き下ろしたということですが、その冒頭部分が、2004年に亡くなった師、ビル・ラジアーとの思い出、そして彼からジム・コリンズが学んだこと。これがどうにも泣けるのです。
「決定的タイミングにすべてを捨てて飛び込まなければ、夢を実現できる可能性は低いどころかゼロになる」
「相手を信頼するほうがアップサイドは大きく、ダウンサイドは小さい」
「自らの成功をお金で測ると、必ず敗者になる」
「コアバリューに忠実に生きる」
この第1章「ビルと私の物語」だけでも値段以上の価値がありますが、さらに3章、4章は、あのネットフリックス共同創業者のリード・ヘイスティングスが、<『ビヨンド・アントレプレナーシップ』の最初の86ページを丸暗記せよ>といって、若手起業家に強くおすすめした部分。
内容的には、『ビジョナリー・カンパニー』シリーズ全編の軸を貫く「リーダーシップ」について述べたものと言っていいでしょう。
リーダーシップ・スタイルの7つの要素と、それぞれの丁寧な解説、偉大な企業の事例が、ここぞという時の決断に役立つことは間違いないでしょう。
リーダーシップ・スタイルの7つの要素
1 誠実さ
2 決断力
3 集中力
4 人間味
5 対人スキル
6 コミュニケーション能力
7 常に前進する姿勢
師匠と弟子の見事なコラボレーションで、なぜこれが未邦訳だったのか、本当に謎が残る一冊です。
感動的であり、実践的。
やはりジム・コリンズの本はどれを読んでも素晴らしいですね。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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実現不可能に近い夢を叶えようとすれば、退路を断ち、全身全霊で取り組まなければならないときが来る。ほとんどの人が大胆な野心を遂げられないのは、決定的タイミングですべてを捨てて取り組まないからだ、とビルは考えていた
「ジム、君は人生の大きな分かれ道に立っているんだ。ひとつはまず相手を信頼できると考え、絶対に信頼できないというエビデンスが出てくるまで信じ続ける道。もうひとつはまず相手を信頼できないと考え、相手が信頼できることを証明するまで疑い続ける道だ。どちらか選び、その道を歩み続けなければならない」
「すばらしい人間関係を見分ける方法はあるのですか」と私は尋ねた。ビルはしばし考えて、こう答えた。「2人に『この関係でどちらのほうが得をしているのか』と聞いて、両方が『自分』と答えるかどうかだ」
私たちが最大限の力を出し切ろうとするのは、仲間を成功させるには自分が成功しなければならない、仲間をがっかりさせたくないと思うときだ
味方が数人しかおらず、周りを敵に囲まれたときにはこう言うんだ。「おまえはここからここまで、おまえはここからここまでをカバーしろ。銃はオートマチック・モードにするな。一度に一発ずつ撃て。パニックになるな」(ボブ・ブライト)
文字にこだわるのはやめよう。絵にしよう。物語を語ろう。たとえ話は必ずしも厳密でなくてもいい。鮮やかに描写しよう
「私たちは社運を賭けた大胆な目標(BHAG)」を達成する。私にはその確信がある。なぜなら私はあなたたちを信じているからだ」。これがリーダーの伝えるべきメッセージだ
ビジョンは「共同体として共有する」もので、会社を運営する特定の個人ではなく、組織に帰属すべきだ。ビジョンは創業者を超越しなければならない
ミッションの4つの類型
1 目標 2 共通の敵
3 ロールモデル 4 内部変革
BHAGは歴史上の指導者を奮い立たせ、彼らが人類の進歩を推し進め、人々を団結させるのに役立ってきた
偉大な企業の強みは、運の「利益率」にあった。つまり比較対象企業と比べて、めぐってきた幸運からより多くを引き出したのだ。重要なのは「運に恵まれること」ではない。「恵まれた運をどう活かすか」だ
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20代の頃に読んだ、『ビジョナリー・カンパニー2』があまりに素晴らしくて、以来、生きる指針となりましたが、感動のあまり著者にメールをしてお返事をいただき、その執筆への誠実さにまた感銘を受けました。
※参考:『ビジョナリー・カンパニー2』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822242633/
「もっとたくさん貴方の本を読みたいのですが」と書いたメールに、ジム・コリンズ氏は、「納得のいく研究成果は、そう頻繁に出せるものではない」とコメントされたのです。
本書は、そんな著者が、亡くなった恩師への感謝を込めて書いた、会心作。
絶対に「買い」の一冊ですので、ぜひ読んでみてください。
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『ビジョナリー・カンパニーZERO』
ジム・コリンズ、ビル・ラジアー・著
土方奈美・訳 日経BP
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296000322
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09B966P33
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◆目次◆
序章 なぜ今、本書を出版するのか
第1章 ビルと私の物語
第2章 最高の人材がいなければ最高のビジョンに意味はない
第3章 リーダーシップ・スタイル
第4章 ビジョン
第5章 幸運は諦めない者に訪れる
第6章 偉大な企業をつくるための「地図」
第7章 戦略
第8章 イノベーション
第9章 卓越した戦術の遂行
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