【独学を極めたい人に。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478108536
本日ご紹介する一冊は、人気ブログ「読書猿Classic:between/beyond readers」の主催者であり、独学のプロ、読書猿さんによる独学メソッド大全。
なんと800ページ近くに及ぶ大ボリュームで、読者が独学で成功するための55の技法をまとめています。
最先端のIT企業が、学歴を重視しなくなり、また社会がこれまでにない問題解決策を求めている今、独学の重要性はかつてないほど高まっています。
ただ、独学には、「何を、どう学べばいいかわからない」「時間がない」「続かない」などの問題があり、本書はこれらすべてを解決するよう、書かれています。
まず第1部で書かれているのは、読者が志や目標を立て、やる気を持続させるためのさまざまな理論やテクニック。1/100プランニング、2ミニッツ・スターター、グレー時間クレンジング、習慣レバレッジなど、独学を続けるためのメソッドがいくつも紹介されています。
続いて第2部で紹介されているのは、調べものをし、知識を体系立てていくための方法論。学術研究→学会発表/論文掲載のプロセスや、書籍執筆でも使えるノウハウ、書かれた内容を吟味するためのテクニックが丁寧にまとめられています。知的生産に関わる人には、外せないパートでしょう。
そして第3部は、読書家必読のさまざまな読書テクニックを紹介。転読(Flipping)、掬読(Skimming)、問読(Q&A Reading)、限読(Timed Reading)、黙読(Silent Reading)、音読(Reading Aloud)、指読(Pointing Reading)、刻読(Marked Reading)、段落要約(Paragraph Summarizing)、筆者(Scribing)、注釈(Annotating)……などの読書法、知識集約法を紹介しています。
大ボリュームの本で、とてもすべては紹介できませんが、本文の中から気になった部分をチェックして行きましょう。
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イギリスというものの存在を知らない人は少ないだろう。しかしイギリスについて当たり前に知っていなくてはならない常識的知識を(これはイギリスのどの側面を詳しく知ろうとする場合にも、背景知識となりうるものである)、誰もが必要なだけあらかじめ知っているとは限らない。だからこそ、百科事典は調べものの最初に引いておくべき第一のレファレンスツールなのである
書誌を知らない読書家は、海図を持たない船乗りに等しい
とりあえず事典と書籍と論文を検索して3つの表を作っていけ。(中略)「目次マトリクス」と「引用マトリクス」と「要素マトリクス」の3つだ
一冊の書物でなく、書物の森を見ろ。そうすれば、どれが寄生する本で、どれが他の書物を支えている本であるか、次第にわかってくる
デマとして広がりやすい偽情報は、我々にとって信じやすい(また信じたい)ような、我々の願望や思考傾向に沿ったものが多い。タイム・スケール・マトリクスは我々の自然な思考を一旦停止し、出来事に影響を与える、時間的前後関係(因果関係)と空間的な外部内部関係(その周囲と内部の関係)について漏らさず確認することで、齟齬や矛盾を発見しようとする方法である
お前がたった一つの問いを持ってその本に挑むなら、少なくとも一つの答えを得るだろう。それでは満足しないというなら、さらに多くの問いを抱えて、再び書物に向かえばいいだけの話だ
◆記憶障害の臨床でも用いられる文章記憶法
PQRST法
(1)Preview(予習)
(2)Question(質問)
(3)Read(精読)
(4)Self-Recitation(自己暗唱)
(5)Test(テスト)
◆35ミニッツ・モジュール
(1)学習するとき、35分間を1セットとして次のように時間を使う
0~20分……新規項目の学習
20~24分……定着のための小休憩と復習の準備
24~26分……一日前の学習項目の復習
26~28分……1週間前の学習項目の復習
28~30分……1カ月前の学習項目の復習
30~35分……今日の学習項目の復習
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分厚い本ではありますが、内容がよく整理されていることと、レイアウトがゆったりしていて見やすいこと、ちょうど疲れたタイミングで無知くんと親父さんのゆるい対話が挿入されることにより、厚さがまったく気になりません。
学習術や知的生産術に興味のある方なら、終わりまであっという間に読めてしまうのではないでしょうか。
読書家へのアドバイスの充実しており、これはおすすめの一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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『独学大全』読書猿・著 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆
第1部 なぜ学ぶのかに立ち返ろう
第1章 志を立てる
第2章 目標を描く
第3章 動機付けを高める
第4章 時間を確保する
第5章 継続する
第6章 環境を作る
第2部 何を学べばよいかを見つけよう
第7章 知りたいことを発見する
第8章 資料を探し出す
第9章 知識への扉を使う
第10章 集めた資料を整理する
第11章 情報を吟味する
第3部 どのように学べばよいかを知ろう
第12章 読む
第13章 覚える
第14章 わからないを克服する
第15章 自分の独学法を生み出す
第4部 独学の「土台」を作ろう
国語独学の骨法
英語(外国語)独学の骨法
数学独学の骨法
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