【スタンフォード大学名誉学長の教え】
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本日ご紹介する一冊は、スタンフォード大学の第10代学長であり、現・名誉学長、Googleの親会社であるアルファベットの会長も務める、ジョン・L・ヘネシーによるリーダーシップ論。
謙虚な人柄の著者が絶対に付けなそうなタイトルだなと思っていたら、原題はかなり違っていて、『Leading Matters:Lessons from My Journey』でした。
ニュアンス的には、スタンフォード大学第10代学長であり、優れた起業家でもあった著者の回顧録、といった感じですが、リーダーシップとは何か、どうやって人を導くかという疑問への、明確なヒントが示されています。
オビには、ビル・ゲイツ(マイクロソフト元会長)、シェリル・サンドバーグ(フェイスブックCOO)、サンダー・ピチャイ(グーグルCEO)の推薦文が載っていますが、確かに心に響く内容です。
一番内容をうまく言い表しているのは、サンダー・ピチャイのコメントだと思ったので、ここにご紹介しておきます。
<謙虚で共感的、勇気があり、とても賢い。本書は、ジョン・L・ヘネシーそのものだ>
グーグルとスタンフォードのトップに立った、シリコンバレー最重要人物が説くリーダーシップとは何か。
ビジネスとアカデミズム、両方のトップを経験した著者ならではの視点が新鮮で、読ませてくれます。
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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勇気は、それが難しい時にも正しい道を歩み続け、必要となれば、突然進路を変えることも可能にする。勇気は、リーダーシップの基本的原則と組織のコア・ミッションに支えられたものなのだ
自分が最も聡明な人間であるはずはないのだ。あなたがリーダーとなって取り組むことの成功は、チーム全体の力にかかっている。成功するためには、彼らの専門知識や助けが必要で、まずは自分が物知らずだと認め、チームのメンバーの知識から学び、彼らのサポートを求めるのが一番だ
高潔さというのは必ず達成可能であり、通常は誤解の余地のないものだ。特に大人にとって、それよりずっと実践が難しいのは「真正」であることだ。これは、正直に話すこと、そして自分だけでなく他者やコミュニティ、人類すべての本来のあり方を実践することである
ビジネスリーダーによっては、解雇やレイオフに伴う精神的な重圧を避けようとして、よくコンサルタントという形で「斧切り男」を雇い、彼らに汚い仕事をさせる。だが、こうすることによって、学びの機会を逃すことになる。一時的な安堵は得られるだろうが、全社員へのメッセージは透けて見える。このリーダーは難しい仕事に立ち向かおうとしない、と
困難な仕事を担っているのは彼らで、リーダーの仕事は、彼らが最大限効果的で生産的になるように支援することなのだ。そう考えられるようになるために、組織図を頭の中で逆さにし、あなたがいるピラミッドの頂上を底辺に持ってきて、皆を支えるようにしなければならない
意思決定やゴールを設定する際の一要素として、共感を考慮に入れるべきだ。共感は、行動をチェックする際の要となる。データと並んで、その人物が置かれた状況を理解しそれに配慮することが、皆の繁栄を支えることになるのだ
困難な時期に役立つのは、チャレンジを自分自身に向けられたものではなく、組織を率いるという「自分の役割」に向けられたものと捉えることだ
自分と同じ方法で仕事をする人物を探すのではなく、ポジティブなコラボレーションの経験を持ち、仕事をやり遂げるのに必要なリーダーシップの素質を見せている人物を選ぶように留意しなければならない
未来にまで続くものを打ち立てる
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名言のオンパレードで、どれをご紹介するか迷ったのですが、一番響いたのは、「ファクトや数字よりも大切なもの」として、「心から関わること」が挙げられていたこと。
責任や気まずさなど、精神的な重圧から逃れようとして、メンバーから距離を置くことは、必ずリーダーを弱体化させる。
反対に、共感することや心から関わることで、リーダーシップを発揮できると説いたところに、本書の価値があると思いました。
ぜひ読んでみてください。
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『本物のリーダーが大切にすること』
ジョン・L・ヘネシー・著 瀧口範子・訳 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1章 謙虚さ
第2章 真正であることと信頼
第3章 奉仕としてのリーダーシップ
第4章 共感
第5章 勇気
第6章 コラボレーションとチームワーク
第7章 イノベーション
第8章 知的好奇心
第9章 ストーリーを語る
第10章 レガシーとは
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