2020年11月16日

『明日も出勤する娘へ』ユ・インギョン・著 吉原育子・訳 vol.5639

【厳しくも温かいアドバイス】
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本日ご紹介する一冊は、韓国で新聞記者として働く母が、娘に贈った、働き方のアドバイス。

働く女性につきものの人間関係の悩みや男社会での処世術などが、歯に衣着せぬ物言いで書かれており、その厳しくも温かい目線に、共感が集まっているようです。

有能で美しく体力もある「アルファガール」たちが、なぜ出世できないのか、職場で上司とぶつかったとき、どう振る舞うべきなのか。なぜ職場で泣いてはいけないのか…。

女性に限らず、社内政治下手の人間なら、きっと頭をガツンと殴られた気持ちになるに違いありません。

著者は、元京郷新聞の副局長兼専任記者で、京郷新聞が発行する時事週刊誌と女性誌の編集長も務めた方ですが、若い頃、いろいろと失敗もやらかしたようで、本書にはその失敗エピソードも書かれています。

日本以上に上下関係、男女差別が厳しいと言われる韓国で、女性たちがどんな戦いを強いられているのか。どうやったらキャリアの成功を収められるのか、ヒントが満載の一冊です。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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「なんでこうなの?」「私ってほんとバカみたい」などと自分を責めたり叱ったり、自分に呆れたりしないで「まあ、いいか、だってこういうことは初めてだし、今日を生きるのも初めてなんだから」と開き直ればいい。ときには自分を甘やかす図々しさも必要なのだ

私は「孤独に親しむ」という言葉が好きだ。招かれざる客だと追い出したり、恐ろしい相手だと避けたりするよりは、自分を孤独のままにしておくほうがいい。さみしいということを認めながらも、逆に数多くのやっかいな視線や干渉から逃れられていることに感謝すべきだ

「MARY KAY」という化粧品会社の創業者、メアリー・ケイは、子育てしながらこつこつとまじめに働き、セールスで優秀な成績を収めたにもかかわらず、毎回、男性たちに栄光を奪われ、昇進もできなかった。だがそんな不合理な組織やシステムを恨むのではなく、「女性たちがもっとも働きやすい職場、子育てしながら、無理なく働ける職場、能力と実績で認められる職場を自分でつくろう」と会社を立ち上げた

私がもっとも尊敬して憧れる作家、塩野七生氏は一五年間、毎年一冊ずつ『ローマ人の物語』(新潮社)を書いてきた。(中略)世の中や周りに不平を言いながら老いていく高齢女性が多い中で、彼女は西洋版の三国志に匹敵する『ローマ人の物語』だけでなく、小説やエッセイなど数多くの作品を残しながら、素晴らしい老後を満喫している

少し負担に思うくらいの量の仕事を引き受けると、その分、自分も成長できる(中略)上司に認められるためでも、なんとか組織で生き残るためでもなく、自分自身のグレードアップのために「イエス」と答えるのだ

上司に言っていい言葉は『はい、わかりました』『申し訳ありませんでした』この二つだけよ

上司は、よく泣く女性社員は叱らなくなる。だが、重要な仕事も任せなくなる

ひとまず要求しなければ、何も起こらない

一〇お願いされて三つ聞いてあげるだけでも立派な成績なのだ。それなのにいい人ぶって自分のことを後回しにすれば、自分の人生を生きていないことになる

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男性には、『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』をおすすめしますが、女性が読むなら本書の方が実際に即していて、役立つと思います。

※参考:『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102428011/

『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』同様、随所でビジネスパーソンが読んでおくべき本や偉人から学ぶべきことに言及しており、教養としても役に立ちます。

ぜひ読んでみてください。

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『明日も出勤する娘へ』ユ・インギョン・著
吉原育子・訳 サンマーク出版

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◆目次◆

第一章 月曜日 ああ、疲れる
第二章 火曜日 どうしてこんな目にあうの?
第三章 水曜日 そうするべきじゃなかったのに
第四章 木曜日 声を上げるときは堂々と
第五章 金曜日 一息ついていこう

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