2020年11月11日

『ビジネスエリートが知っている教養としての日本酒』 友田晶子・著 vol.5636

【必読の教養】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866672331

本日ご紹介する一冊は、世界的に注目されている「日本酒」を、ビジネスパーソンの教養としてまとめた一冊。

著者は、お酒に関する書籍をこれまでに20冊以上出してきたソムリエ/トータル飲料コンサルタントの友田晶子さんです。

2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に認定されて以来、世界における和食の人気はうなぎのぼりですが、それとペアリングする日本酒にも当然、人気が集まっています。

著者によると、ここ数年、品質の良い日本酒を置く専門店も海外で増えており、「十四代」「黒龍」「獺祭」「梵」などのブランド日本酒は、海外の富裕層やワインマニアの心をわしづかみにしているそうです。

約1691の酒造メーカーが所属する日本酒造組合中央会が発表したところによると、2019(平成31/令和元)年の清酒輸出総額は約234億円(前年比5・3パーセント増)となり、10年連続過去最高を更新したとのこと。

最近は、海外にも酒蔵が作られているそうで、本書ではそういったトレンドも紹介されています。

『教養としてのワイン』がベストセラーになりましたが、日本に興味を持つ外国人と仲良くなるなら、むしろ日本酒の知識の方が、学んで正解かもしれません。

※参考:『教養としてのワイン』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478106614/

日本人として知っておくべき日本酒の基本と、最先端の知識が身につく一冊です。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

—————————-

「獺祭」を造る旭酒造は、世界最大の料理学校であるThe Culinary Institute of America大学(通称CIA大学)と提携し、ニューヨークに酒蔵を建設中

ニューヨーク初の酒蔵「Brooklyn Kura」は、金融マンと科学者が日本酒好きが高じて自ら造り始めたものですし、ニュージーランド唯一の日本酒「全黒」を手がけるNEW ZEALAND SAKE BREWERS LIMITEDの代表者は元旅行会社経営の実業家です

2019年の日本酒輸出を国別・地域別に見ると、数量ベースの1位はアメリカ、2位に中国本土、3位に香港と続きます。金額ベースでは、酒類の関税ゼロ政策をとり、年々日本酒輸出が増える香港が39億4300万円。中国本土は50億100万円、中国トータルで89億4400万円

一升瓶(1800ミリリットル)一本のお酒を造るのに、お米が1キロ必要です。つまり、原料代が約600円。大吟醸の場合、米を50パーセント以下に削ってから使うため、2キロは必要になりますから、一升瓶の原料代だけでも1200円超。これに、瓶代、ラベル代、そのほか原料代、人件費などを反映して値段を設定します

◆搾った際に出てくる順番に関する名称
・あらばしり(荒ばしり/荒走り)
圧をあけずにもろみの重さだけで自然にほとばしる、いわゆる一番搾り
・なか(中)/中取り/中汲み
「あらばしり」の後、落ち着いた状態で搾ることができる、中間地点で出てくるお酒を指します。「あらばしり」のような粗さはなく、いくぶんなめらかです
・せめ(責め)
搾りの終盤、「なか」の出方が少なくなったら、もうひと息圧力をかけて搾り込むことで出てくるお酒を指します。いわゆる、最後の部分です。酒粕が多くなってきた状態で搾り出すので、もっとも濃厚な味わいになります

熟成酒は味が強くて個性的であることが多いので、食事の後半、できれば食後に飲むのがおすすめ

食事がメインに入ったら、「濃厚で、コクのあるもの」をいただきます。「純米酒」「特別純米酒」「生酛造り」「山廃造り」など、もっとも日本酒らしいタイプがおすすめです

—————————-

日本酒を取り巻く状況とビジネスとしての日本酒、楽しむための日本酒の知識やマナーが、コンパクトにまとまった、便利な一冊です。

特に、巻頭付録に付けられた、「全国の地酒の特徴と代表銘柄」は、体系化された知識が欲しかった土井には刺さりました。

高級料亭やこだわりのバーで日本酒を飲む際、威力を発揮する一冊です。

ぜひ読んでみてください。

———————————————–

『ビジネスエリートが知っている教養としての日本酒』
友田晶子・著 あさ出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866672331

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08M9MR8FK

———————————————–
◆目次◆

第1章 ビジネスパーソンは知っておきたい日本酒の現状
第2章 日本酒はどうやってできるのか
第3章 日本酒を選ぶ
第4章 知っていると一目置かれる日本酒の歴史
第5章 教養人の日本酒の楽しみ方
第6章 できる人と思われる日本酒のマナー&ルール

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー