【マーケティングに活かす】
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本日ご紹介する一冊は、日本を代表するトップマーケター、神田昌典氏推薦の行動経済学本。
著者は、マーケティング戦略アドバイザーの楠本和矢さんです。
行動経済学の本は、これまでにもたくさん出ていますが、本書の狙いは、<行動経済学を「マーケティング」につなげること>。
そのため、行動経済学の理論を紹介するだけで終わるのではなく、実際にそれぞれの理論が活用されたマーケティングの事例や、著者ならこう使うという、「活用イメージ」が紹介されています。
わずか12ページで行動経済学の代表的理論がおさらいできる上、それをどう実践で使えばいいのか、マーケティングの視点から解説されているのがありがたい。
いままさに「どう売るか」で悩んでいる経営者・マーケターに、ヒントを与えてくれる内容だと思います。
なかでも注目したいのは、CHAPTER2の<行動経済学をマーケティングにつなげる26の切り口>。
26の切り口はさらに5つのカテゴリーに整理されており、それぞれ以下のように紹介されています。
・効率良く「好感認知」をつくるための5つの切り口
・新たなニーズを創るための7つの切り口
・魅力的なものに見せるための5つの切り口
・購入ストレスを低減するための4つの切り口
・自然に継続させるための5つの切り口
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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「見たこともない新しい商品」について、元々何の価値判断のスキルもないところに、すでに高い価値が認められている商品と「同カテゴリーのもの」に見せることによって、「この新しい商品もきっと同じような価値があるはずだ」と、短絡的に判断させた
「この商品で、新しい音域を聴くことができます」とするか、「これ以外の商品では、その音域を聴くことはできません」とするかで、印象は大きく異なります
バンドワゴン効果
人気を多く集めていることがわかると、元々関心がなかったにもかかわらず、興味を示してしまう傾向
ジンクピリチオン効果
聞いたことのない、凄そうな言葉の響きだけで、「何となく良さそう」と短絡的に判断してしまう傾向
ウィンザー効果
商品/サービスの提供者から直接アピールされるよりも、第三者から間接的にそれを聞くと、より強く信じてしまう傾向
ヴェブレン効果
それを購入した自分をアピールしたいという欲求が働き、高額な商品を購入したいと考える傾向
エンダウド・プログレス効果
ゴールに向かって若干前進したと感じると、ゴールに向かっていくモチベーションが高まり、続けたくなる傾向
新たなニーズを創るための7つの切り口
・リスクを強制想起
・新たな「敵」の紹介
・新習慣の創出
・いい言い訳の提供
・節目需要の創出
・ひとまず保有させる
・とにかく近くに
購入ストレスを低減するための4つの切り口
・購入リスクがゼロ
・選択肢の絞り込み
・面倒ごとの先送り
・相対的に選ばせる
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事例紹介が、「ある○○のサービス」のような形で、なぜか匿名になっていること、理論の使用結果が数字で示されていないことがやや不満ですが、行動経済学をマーケティングに使える形で整理し直した、という点で意味ある内容だと思います。
これまでまったく行動経済学を学んで来なかったという人も、本書を使えば簡単に要点を押さえられるので、おすすめです。
ぜひ読んでみてください。
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『政治家の覚悟』菅義偉・著 文藝春秋
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◆目次◆
CHAPTER1 マーケティング戦略と、行動経済学との距離感
CHAPTER2 行動経済学をマーケティングにつなげる26の切り口
CHAPTER3 「26の切り口」を使って、マーケティングアイデアを創出する方法
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