【ピノコも注目】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296100440
本日の一冊は、『もしブラック・ジャックが仕事の悩みに答えたら』というコンセプトで、働く人の悩みに、手塚治虫の名作マンガ『ブラック・ジャック』の教訓を使って応える一冊。
著者は、シニア産業カウンセラー、臨床心理士の尾崎健一さんです。
本書がすごいのは、手塚プロダクション協力により、懐かしい『ブラック・ジャック』のマンガの一場面を切り出して掲載している点。
マンガもビジネス訓も楽しめる、一粒で二度美味しい本です。
優秀なのに決して地位を望まない椎竹医師、仲を良くするばかりが能じゃないと教えてくれるディンゴの教訓、後進が失敗するチャンスを奪わないブラック・ジャックのやり方など、興味深い話がたくさん掲載されており、最後は立派な仕事の心構えに仕上がっています。
各「カルテ」の最後に、ブラック・ジャックが後ろ姿でセリフを語る部分があり、ここを読むだけでも勉強になるでしょう。
さっそく、ポイントをチェックして行きます。
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「なぜもっと地位を望まないのですか?」と、ブラック・ジャックが問うと、椎竹医師は「医者は欲が優先しちゃおしまいですよ…ハハ……」と言って立ち去った
華やかな花火大会が爆発事故になり、派手な2人の医師による院長選挙が買収事件に発展する。その傍らで静かに輝き続ける星と、地道に仕事を全うする椎竹医師。見かけの派手さに惑わされてはならないことを思い出させてくれる
どうしたら、椎竹医師やブラック・ジャックのように泰然自若としていられるのか。そのヒントが物語の冒頭、ブラック・ジャックがピノコに語る六等星の大きさにある。私たちには一等星のほうが六等星よりも大きく見えるが、現実はそうではない。その大きさは宇宙のどこから見るかによって変わる。人の大きさも同じだ。ある人への評価は、見る人の立ち位置によって変わる
「何も、『仲を良くする』ばかりが能じゃない。『仲を悪くしない』という選択肢だってあるんだ。焦って深入りすると痛い目に遭うかもしれないぞ。私とディンゴのようにな」
「アリのように途切れなく道しるべを残す必要はない。夜道の街灯のように要所要所を照らすくらいがちょうどいい。何より失敗するチャンスを奪わないことだな」
他人は「変えられない」が、自分の行動は「変えられる」。この1点を心得ていたブラック・ジャックは、即座に最悪の事態に備えるべく、自分の手術の仕方を変えた
憎しみをあらわにする彼に、ゲラは穏やかに笑いながら言った。「もったいないなァ……」「せっかくいいお医者がキミをちゃんと治してくれたのに……」「ほらよく一家心中ってあるじゃん」「親が子どもを道連れにして死ぬじゃん でもさァ ぼくの親はぼくを道連れにしないで ちゃんと……」「生かしといてくれたよ それだけでも感謝しなくちゃ」
価値があると分かって行動するんじゃない。行動すること自体に価値があるんだ。おまえさんも覚悟を決めることだな
「誰かに褒められたい、か……。そんな気持ちもあるかもな。だが、たった一人で自由に野原を歩き回る気分も格別だ。そろそろその解放感を楽しめるようになれよ」
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若い世代がどう受け止めるかは未知数ですが、個人的には興味深く読むことができました。
大金をふっかけるブラック・ジャックだからこそ、かえって仕事の大切さ、尊さが浮かび上がってくる。
登場人物の誰に共感するか、自己投影するか。
本書を読めば、みなさんも自分の職業観が客観視できることと思います。
ぜひオススメしたい一冊です。
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『もしブラック・ジャックが仕事の悩みに答えたら』尾崎健一・著
手塚プロダクション・協力 日経BP社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296100440/
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◆目次◆
はじめに
第1章 仕事でこじれる人間関係
カルテ01 現場のブーイングに熱意も揺らぐ
カルテ02 もっと仲良くしたいのに
カルテ03 こっちの事情も考えてください
カルテ04 あれほど注意したのにミスするなんて
第2章 部下のボヤキ
カルテ05 上司の評価に納得できなくて
カルテ06 ミスを部下に押し付けるなんて
カルテ07 それって私がやるべき仕事でしょうか?
第3章 上司のボヤキ
カルテ08 どの部下にもちょっと不満
カルテ09 そういうことは期待していないのに
カルテ10 みんなが嫌ならやめておこうか
第4章 キャリアの分かれ道
カルテ11 うまくいかなかったらどうしよう
カルテ12 昔はあんなに褒められていたのに
カルテ13 何のために頑張っているのだろう
おわりに
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