【次はインドだ。】
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経済を語る視点はいろいろあると思いますが、現状の指標(=GDP)が人口×生産性である以上、軍配は人口が多くて優秀な人材を擁する国にくだります。
その点で、今最もポテンシャルを持っているのは、おそらくインド。本日は、そのインドに関するレポートをご紹介します。
著者は、元ソニー・インディア・ソフトウェア・センター社長の武鑓行雄(たけやり・ゆきお)氏。
現在は、インドIT業界団体であるNASSCOM(National Associtation of Software and Services Companies)の日本委員会の委員長を務めています。
本書では、アメリカのIT企業の「インド・シフト」を数字、内容面で示し、インド経済のポテンシャルを紹介しています。
また、日本ではあまり話題にならないインド発のスタートアップ企業についても紹介されており、投資家は必読の内容となっています。
インドのユニコーン企業、グーグル、フェイスブック、ヤフーが買ったスタートアップ企業などが紹介されており、インド経済の勢いを感じさせる内容となっています。
今後、インドへの投資、あるいはビジネスを考えている人にとって、貴重な情報源になると思います。
さっそく、内容をチェックして行きましょう。
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インドでは、高度IT人材候補である理工系大学の新卒者が毎年一〇〇万人以上生み出され、その中から二〇一六年には二〇万人がIT業界に新規雇用されている
独インダストリー4.0、米インダストリアル・インターネットの主要企業はすべてバンガロールに
IT業界団体であるNASSCOMやR&Dコンサルタント会社であるZINNOV社主催で、GICに関するコンファレンスが定期的に開催
二〇一六年時点で、インドのスタートアップ数は、四七〇〇~四九〇〇社である。この数字は、テクノロジー・スタートアップの数である。他国と比べると、アメリカ(五万二〇〇〇~五万三〇〇〇社)は別格としても、二位のイギリス(四九〇〇~五二〇〇社)に次いで第三位である。第四位はイスラエル(四五〇〇~四六〇〇社)
VCは一八〇社、エンジェル・個人投資家は三五〇人、二〇一六年の投資総額は約四〇億ドルと言われている。この額は、アメリカ(六一〇億ドル)、中国(四八〇億ドル)、ヨーロッパ(一二〇億ドル)に次ぐ投資額となる。イスラエルの二二億ドル、日本のVC投資額一三・五億ドルを上回る
シリコンバレー発、起業家育成支援組織「TiE」
インペリミウム、リトルアイラボ、ブックパッドの三社のスタートアップに共通するのは、「Aqui-hire(アクイハイアー)」されていること
◆インドのユニコーン企業(2017年8月時点)
Flipkart
Snapdeal
One97 Communications
ANI Technology(Ola Cabs)
ReNew Power Ventures
Hike
Shopclues
Zomato Media
InMobi
Quikr
世界最大のビッグデータ専業会社「ミューシグマ」
インド国内ビジネスに関しては、爆発的に市場拡大することから、当然大きなポテンシャルが予想できる
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以前読んだ本に、「世界経済の中心は、昔からずっと中国とインドだった」という記述があり、そんなものかと思っていましたが、いよいよ歴史は原点回帰しそうな予感です。
政治、経済、金融、教育に携わる人は、ぜひ読んでおきたい。
現在の日本に足りないところが丸ごと見えてくる、そんな内容です。
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『インド・シフト』武鑓行雄・著 PHP研究所
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◆目次◆
はじめに 世界をリードするインドIT業界とイノベーションの新潮流
第1章 なぜ世界のトップ企業は「バンガロール」に拠点を置くのか
第2章 インドのシリコンバレー、バンガロール
第3章 激変するインドIT業界
第4章 インドのスタートアップ
第5章 グローバル人材輩出国インド
第6章 インド発・世界的イノベーションの可能性
第7章 IT分野での日印連携に向けて
おわりに
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