【部下指導の決定版】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478069786
本日紹介する一冊は、ヤフー株式会社社長室ピープル・デベロップメント本部長を経て、上級執行役員となった著者が、同社が採用している1on1ミーティングの手法を公開した一冊。
1on1ミーティングとは、文字通り上司と部下の間で行われる1対1の対話のことですが、同社ではこの1on1ミーティングを部下を成長させる機会として活用しているそうです。
週1回、30分の対話を行うだけで部下に問題意識を持たせ、成長を促すことができる。
そんな夢のような効果が期待できる1on1ミーティングですが、もちろん実行するにはそれなりにコツがあるようです。
本書では、ミーティングの切り出し方から、話の聞き方の注意点、上司と部下の信頼関係を構築するためのヒントまで、丁寧にポイントが記されています。
冒頭、マンガで良い見本と悪い見本が示されているので、これを使って要点を押さえるといいでしょう。
東京大学大学総合教育研究センター准教授・中原淳氏や、プロコーチの守屋麻樹氏、北海道大学大学院経済学研究科教授・松尾睦氏、組織・人材開発コンサルタントの由井俊哉氏との対談もあり、より理解が深められる内容になっています。
さっそく、中身のポイントをチェックしてみましょう。
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ヤフーの1on1は、原則として週に1回、30分程度かけて行います。進捗報告や評価面談など、組織における上司と部下の面談にはいろいろなものがありますが、私たちの1on1は、部下のために行う面談です。ですから、30分の対話が終わったときに、部下が「話してよかった」と思えば、まずは成功です
面談を部下のための時間にするために、まず大事なことは「部下に十分に話をしてもらうこと」です
話は最後まで聞く
上司は先に自分の考えを言わない
1on1は評価のための面談ではありません。良い悪いの判断は避け、部下の思いや考えを深めるための問いかけをするべきです
1on1では、考えを深めるツールとして「言い換え」をよく使います
◆ヤフーが採用しているデービッド・コルブの経験学習モデル
人が経験から学ぶときは、「具体的経験→内省(振り返る)→教訓を引き出す(持論化、概念化)→新しい状況への適用(持論・教訓を活かす)」というサイクルをたどる
社員の才能と情熱を解き放つにはどうしたらよいのでしょうか?私たちは、才能と情熱を解き放つためには、(1)いろいろな仕事を経験して、(2)上司や職場の仲間から観察してもらい、(3)経験を振り返りながら自分の職業観について考えることが大切だと思っています
日本には3万種類の職業がある
「今日は何を話そうか」という問いを、1on1の初めに聞くことを習慣化すると、「何を話そうか」と尋ねられることを部下は認識するようになるので、あらかじめ話すテーマを探しておくようになります
鏡のように本人に返す(フィードバックする)ことによって、本人の思わぬ気づきを引き出すことができることもあります。「あなたは、彼の話をすると必ず手を組むけど、苦手意識があるのかしら?」とか、「あなたは、修羅場になるとイキイキとするね」というフィードバックが、部下が気づきを得るきっかけになることもあります
1on1の目的の一つである「経験学習を促進する」ためのもっとも直接的な質問が「(今回のできごとから)何を学んだの?」です
学びの確認と同じくらい重要な質問に「この学びを次にどこで活かす?」があります
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中身も良かったのですが、何よりも心打たれたのは、著者の人材開発に対する熱い姿勢。
特に、以下の言葉が胸に刺さりました。
<ヤフーの人事として、私はDevelopmentを開発ではなく発達(支援)と表現したいと感じていました。ヤフーの社員は会社によって成長させられるのではなく、社員は自分の意志で成長(発達)していく。会社はその成長を支援する。そういう立場をとりたかったからです>
部下との関係に行き詰まっていたり、モチベーションを上げるのに手間取っていたら、ぜひ読んでみることをおすすめします。
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『ヤフーの1on1』本間浩輔・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1章 マンガで学ぶ1on1ミーティングの基本
第2章 1on1とは何か
第3章 1on1における働きかけ
第4章 1on1導入ガイド
第5章 ヤフーが人材開発企業を目指す理由
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