【デジタル時代の営業とは?】
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本日紹介する一冊は、MITで経営学修士(MBA)を取得し、現在はマーケティング・オートメーション(MA)分野の代表企業、「ハブスポット社」の副社長を務める、マーク・ロベルジュ氏による、デジタル時代の営業ノウハウ。
「神田昌典氏が惚れ込み教材に使うビジネス書」という触れ込みですが、果たしてその内容やいかに。
実際に読んでみると、氏の営業の方程式は、以下の4つで構成されていました。
1.営業採用方式
2.営業育成方式
3.営業マネジメント方式
4.見込み案件創出方式
そもそも自社の営業にふさわしい人を特定・採用できているのか、その人の特性に合った育成がなされているのか、という基本から問い直していくわけですが、これが結構深い。
従来型の営業の世界では、今でも師弟制度やロールプレイングが行われているのですが、トップパフォーマーをつけても、部下の特性と合わなければ、成長につながらないというのは興味深い指摘でした。
また、リクルーティングするためにトップ・タレントをLinkedInに登録させたり、営業プロセスを作成する前に「バイヤージャーニー(お客様が商品を購入するときにたどるステップの全体図)」を作らせたり、興味深いノウハウがいくつも書かれています。
いくつか、気になったところをピックアップしてみましょう。
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継続的に何百人もの大口顧客を獲得するような業界トップの営業スタッフを見つければ、この厳しい競争にも打ち勝つことができる
理想的な営業の採用公式は、企業によって異なる
◆理想的な営業採用方式の設計プロセス
ステップ1:理想的な営業の特徴を定める
(候補者がそれぞれの指標で、1から10のうち総合的に何点獲得するか)
ステップ2:それぞれの項目について評価方法を定める
ステップ3:理想的な営業の特徴との比較を通じて、候補者を評価する
ステップ4:営業採用方式を確立し、そのモデルを反復適用する
主導権のある顧客に対して成功するのは、強引で威圧的な営業スタッフではなく、聡明で親切な営業スタッフだということが統計から見てわかる
◆売上と最も大きく関連する特性は5つある
1.コーチング応用力 2.好奇心 3.成功体験
4.知性 5.勤労意欲
好奇心とは、効果的な質問とヒアリングによって、お客様のニーズを理解する能力
◆候補者の勤労意欲を測る3つの手段
1.面接の態度を観察する
2.推薦者をチェックする
3.候補者の行動パターンについて質問する
人材紹介会社に頼んではいけない。社内に採用チームをつくってはいけない。社内に人材紹介会社をつくるべきだ
トップ・タレントにLinkedInに登録させる理由は、そのトップ・タレントが候補者にコンタクトすることが最も効果が高いからだ
営業部門の営業担当役員は候補者として一番好ましくない人物
営業戦略の設計プロセスは、バイヤージャーニーを作ることから始めるべきだ。バイヤージャーニーから始めることで、販売プロセスでは一貫して、お客様のニーズを最優先できるようになる
すべての営業スタッフにはリード(見込み客)から思想的リーダーとして見てもらえるチャンスがある。私は部下たちをデジタルマーケティングの真の思想的リーダーに変えた
転換データが揃えば、各顧客を営業に渡すべき段階を最適化することができる
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マーケティング用語が解説なしで使われているため、まったく勉強したことのない方には、不親切な本かもしれません。
ただ、理系アタマで営業を考えるとこうなる、という一つのサンプルであり、確かにデジタル時代には有効なロジカルかつシステマチックな考え方だと思いました。
自社の営業を抜本から見直したい、という経営者・マネジャーに、おすすめの一冊です。
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『アクセル』マーク・ロベルジュ・著
神田昌典・監訳 門田美鈴・訳 祥伝社
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◆目次◆
監訳者前書き──世界最高峰の理系頭脳で、進化する営業 神田昌典
前書き
謝辞
序文
第1部 営業採用方式
──いつも同じように成功している営業スタッフを採用する
第1章 成功している営業スタッフの特徴を明らかにする
第2章 優秀な営業スタッフにおける5つの特性と面接方法
第3章 トップセールスを見つける
第4章 初めて採用すべき理想的な営業スタッフ
第2部 営業育成方式──すべての営業スタッフを同じ方法で研修する
第5章 予測可能な営業研修プログラムをつくる
第6章 顧客が信頼する営業スタッフをつくる
第3部 営業マネジメント方式
──営業スタッフに同じ営業プロセスを踏ませる
第7章 指標主導の営業コーチング
第8章 営業報酬制度とコンテストによるモチベーション
第9章 営業リーダーを育成する──「内部で昇格」する文化の利点
第4部 見込み案件創出方法
──営業スタッフに毎月、同じ質と量のリードを与える
第10章 従来の見込み案件創出方式を覆す
──顧客に「あなた」を見つけさせる
第11章 インバウンド・マーケティングを収益化する
第12章 営業とマーケティングを提携させる──スマーケティングのSLA
第5部 テクノロジーと実験
第13章 より効率的に、より速く売るためのテクノロジー
第14章 成功する営業実験を実施する
第15章 ハブスポット社で最も成功した営業実験
第16章 結論:ここからどこへ向かうのか?
監訳者後書き 権田和士
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