【コロンビア大学が教える目標達成の科学】
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本の厚さと中身の有用性は比例しない。
ジョン・マエダさんの『シンプリシティの法則』を読んだ時に思ったことですが、ひさびさにまたそう思える本に出合いました。
※参考:『シンプリシティの法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492556079/
本日ご紹介する一冊は、コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長のハイディ・グラント・ハルバーソン氏による、成功のための心理学。
わずか120ページの薄い本ですが、内容は濃厚。モチベーションと目標達成の分野の第一人者が、どうすれば目標達成できるか、成功できるか、心理学的な側面からの正解を示しています。
「引き寄せの法則」はなぜ「失敗の鉄則」なのか、「これまで思考」と「これから思考」はどちらが強いのか、どうして食べ物の誘惑に簡単に勝てると思っている人は、相変わらず太ったままなのか…。
科学的な説明を読んでいるうちに、達成の科学がどんどんインストールされて行く感じです。
目標達成の成功確率を高めるテクニックもいくつか紹介されており、なかでも「メンタル・コントラスト」、『if-thenプランニング』はマスターしておきたいところです。
さっそく、本書のポイントをチェックしてみましょう。
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「やせたい」と思うのならば、目標は「やせる」ではなく「5キロやせる」とするべき
学生たちに人生の目標を聞くと「仕事で結果を出したい」「健康的な食生活をしたい」といった返事が返ってきます。そんな人に私は続けてこう質問します。「どうなったら、目標を達成できたと言えるでしょうか?」「目標を達成したときのイメージを思い描くことができますか?」たいていの人は、こう質問されると答えられなくなってしまいます。あるいは、困った顔をして、「そこまでは考えていなかった」という答えが返ってきます
「私にとって成功とは何か」そして「成功への障害は何か」この2つを繰り返し心の中で考えることは、とても大事なことです。この心の中の作業を、心理学では「メンタル・コントラスト」と呼びます
◆メンタル・コントラストの実践
例えば「今より給料のいい業界トップの企業に就職する」という目標を持ったとしましょう。最初にするべきは、その企業から採用通知をもらった時に感じるうれしさや興奮を味わうことです。次に、そのときの自分の姿や周囲の様子、友達や恋人や両親と一緒に喜んでいる姿をありありとイメージします。さらに、今のあなたと採用通知を受け取ったあなたの差(=コントラスト)を考えてみるのです
◆if-thenプランニング
ただ決めるのではなく、事前に「いつ」「何を」やるかを、はっきりと決めておく──これで実行できる確率は2倍から3倍も高くなります。例えば、「16時になったら、何があっても、今日かけるべき電話はすべてかける」といったように決めるのです
if-thenプランニングをした被験者の91パーセントが運動を習慣化することに成功しました。それに対して、普通の目標設定をした人は、31パーセントが成功したに過ぎませんでした
「目標に対して自分はこれだけ進歩したのだ」ということに目を向けると達成感を得ることができます。「これまで思考」の強い人は、早い段階で達成感を持つために、早く気が緩んでしまう
「簡単に食べ物の誘惑に打ち勝てる」と答えた人は「そう簡単にはいかない」と答えていた人に比べて13キロも重いままだった
複数の大きな目標に、同時に挑戦することは避けましょう
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以前、スタンフォード大学のビジネススクールを訪れ、関谷英里子さんになぜシリコンバレーで起業が盛んなのか伺ったことがありますが、その答えは拍子抜けするようなものでした。
<「この良い天気の下にいると、失敗してもいいか」と思うんですよ>
これが心理学的に正しいということが、東海岸発の本書で証明されたのは、皮肉なことです。
どんなに天気が悪くても、「失敗してもいい、と開き直る」メンタルを持つ。
そうすれば、成功の確率は上がると、本書は述べています。
それがダイエットであれ事業であれ、達成するには、やはりメンタルが重要。
ぜひ本書を読んで、「目標達成の心理学」を学んでみてください。
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『やり抜く人の9つの習慣』ハイディ・グラント・ハルバーソン・著
林田レジリ浩文・訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆
第1章 思考編
第2章 自分を動かす編
第3章 周囲を動かす編
第4章 感情マネジメント編
第5章 体調管理編
第6章 時間・目標管理編
第7章 行動編
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